佐藤太清画伯生誕110周年、福知山で動画撮影
2023年01月17日 のニュース
今年11月、京都府福知山市出身の日本画家、故・佐藤太清氏の生誕110周年を迎える。節目を機に、より多くの人に画伯のことを知ってほしいと、長女の佐藤雅子さん(80)=東京都板橋区=らが、インターネットを活用し、福知山を中心に撮影された動画でPRしている。
太清氏=本名・實=は、1913年11月10日生まれ。出生直後に両親を亡くすが、ふるさとの自然の中で育まれ、その情景を描きながら絵の道を志した。18歳で上京し、児玉希望画伯の内弟子として修業を始め、花鳥風景画という新分野を確立。日本画家の重鎮として日展を支え、1992年には文化勲章を受章した。
動画は、大阪芸術大学美術学科客員教授の諸星美喜さん(53)=岡山県倉敷市=と映像作家の玉城敦章さん(33)=同=が、縁あって制作。昨年11月から数回に分けて福知山市を訪れ、市佐藤太清記念美術館や写生帖、太清氏の好物だった鬼饅頭などの撮影をしている。
13、14両日には、中ノの市厚生会館で開かれていた市佐藤太清賞公募美術展の巡回展や表彰式の様子なども記録に収めた。動画では、毎日の晩酌と酒にまつわるエピソードなど、横顔を紹介したものもある。動画投稿サイト「ユーチューブ」に太清氏のチャンネルを用意して定期的に配信しており、今後も動画を増やしていく予定。
また、インスタグラム、フェイスブックでも太清氏のアカウントを作ってPRしている。
自身も日本画家で、太清氏を尊敬しているという諸星さんは「撮影を通じ、福知山の自然や人々が、佐藤先生の作品の源流だと感じました。福知山があったからこそ数々の作品が生まれたのだと思います。動画では人物像も掘り下げ、多くの人に親しんでもらえ、美術館などに足を運んでもらえるような内容にしていきたい」と話す。
■4月から各地で記念展■
福知山市佐藤太清記念美術館、東京都の板橋区立美術館、愛媛県の八幡浜市美術館などでは記念展「生誕110年 佐藤太清展-水の心象」の準備を進めている。4月ごろから各館を巡回する予定にしている。
写真=佐藤太清賞公募美術展の巡回展で撮影をする諸星さん(左)と玉城さん