成美高野球部の引退試合で吹奏楽部がスタンド演奏で思い出づくり
2022年10月17日 のニュース
3年にわたる新型コロナウイルス禍で、思うように活動できなかった高校生たちに思い出を残してあげたい-。京都府福知山市水内の福知山成美高校吹奏楽部がこのほど、綾部市上杉町のあやべ・日東精工スタジアム(あやべ球場)で開かれた同校野球部の3年生同士の引退試合に招かれ、応援演奏を力いっぱい響かせた。取り組みは、両部の保護者たちが企画した。
入学して以降、新型コロナの影響でコンクールや大会は中止になったり無観客だったりして、両部の部員たちはずっと我慢を強いられてきた。日々の部活動にも制限、規制があったが、生徒たちは仲間とともに練習に取り組み、成長してきた。
その姿を知る野球部員の保護者、吉岡敦史さん(50)と、吹奏楽部員の保護者、荒川まゆみさん(50)が協力し、「成美髙野球部メモリアル引退試合2020」と銘打ち、試合と演奏の舞台を用意。野球部は今夏の全国高校野球選手権京都大会で、吹奏楽部が演奏できる準々決勝まであとひとつのところで敗れ、実現しなかったスタンド演奏実現への思いも込めた。
両部の保護者が観客席を埋める中、野球部3年生30人が2チームに分かれ、7回戦まで全力で勝負。恐竜などの姿でプレーする「コスプレ回」があったほか、同点で最終回を迎え、後攻がサヨナラ勝ちで締めくくるなど熱い展開となり、笑いあり、涙ありで盛り上がった。
吹奏楽部の28人も両チームを応援して演奏。オリジナル応援曲「OH! 成美」やファンファーレなど、息の合った力強い演奏で選手を元気づけた。最後は校歌や思い出の曲を選手たちがマウンドで歌った。
3年生3人と演奏した吹奏楽部2年の今井咲雪部長は「すごく良い経験になりました。ずっと演奏をしていた最終回は、みんな音量も一番大きく、応援の気持ちも強く盛り上がっていました」と話し、野球部主将だった3年生の江本晋佑君は「夏の大会以降はみんなで野球をする機会がなく、3年生全員で野球が出来て楽しかったです。一番の思い出になりました。成美野球部が大好きです」と笑顔を見せた。
写真=野球部と吹奏楽部が一緒に楽しんだ