「地元貢献・地元採用を維持」 エスペック社長に六人部出身の荒田知さん
2022年04月23日 のニュース
京都府福知山市六人部出身の荒田知さん(55)が、環境試験器の世界トップメーカー・エスペック(本社・大阪市)の社長に、このほど就任した。長田野工業団地に主力工場を置き、福知山と深いつながりがある企業。荒田さんは両丹日日新聞社を訪れ、今後の抱負や地元貢献への思いなどを語った。
エスペックは、1947年に創業した。グループ全体の売上高は386億円(2020年度実績)、従業員数はグループ全体で1526人。環境試験器分野のパイオニアとして、業界をリードしてきた。
福知山工場では、環境試験器などを製造しており、年間生産高は200億円超。世界に広がるエスペックグループのマザー工場として、製品づくりの中核的役割を担う。従業員数は330人で、このうち地元出身者が約75%を占めている。
荒田さんは、福知山高校から職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)に進み、卒業後エスペックに入社。中国やアメリカの工場などに勤務し、海外での生産能力向上に貢献した。2018年取締役。環境テスト機器本部長などを歴任し、21年からは福知山工場長に就いていた。
工場長に就任後は、老朽化した消防車両の更新費用に役立ててほしいと、企業版ふるさと納税を活用し、市に1千万円を寄付するなど、精力的に地元貢献にも努めてきた。
社長就任には、「思いもよらないことで、非常に緊張しております」と荒田さん。「この10年間、弊社はグローバル化に向けた活動を推進してきましたが、今後もさらに推し進めていきたい」と力を込める。
福知山工場については、「以前からの高い地元採用比率を、今後も維持していきたい。60歳以上のシニア社員の就業のあり方に関しても、より良い労働条件などを整理し、さらに働きがいのある事業所をめざしたい」という。
また持続可能な世界を実現するSDGsの観点から、事業所で排出するCO2削減に向けた取り組みも、引き続き推進する意気込みを示している。
写真=地元貢献への意気込みを語る荒田社長