「春の女神」が姿見せる ギフチョウが羽化
2022年03月17日 のニュース
昨冬より2週間遅く
「春の女神」と言われ、府の天然記念物になっているギフチョウの羽化が16日、京都府福知山市厚中問屋町の大地洋次郎さん(81)宅で始まった。暖冬だった昨年と比べ2週間遅い羽化で、現在3匹が飼育小屋の中で色鮮やかな羽を広げている。
ギフチョウは日本の固有種で、アゲハチョウ科の仲間。黄色と黒色のしま模様に赤、青、オレンジ色の紋が入った羽が特徴で、絶滅が危惧されている。
大地さんは、32年前から自宅にしっかりとした小屋を建てて飼育を続けている。16日午前中に飼育箱を見ると、雄3匹が成虫になっていた。
羽を広げた大きさは6、7センチで、成虫は小屋に移され、元気に飛び回っている。今年は約250匹が羽化すると見込んでいる。小屋の中では食草のカンアオイに卵を産む。羽化は4月初めごろまで続く。
大地さんは「今年は寅年で、ギフチョウも黄色と黒色のしま模様になっているので、吉兆を呼び込んでくれるかもしれません。暗いニュースが多い中、羽化が始まると春が来たなと感じ、ほっとさせてくれます」と話す。
興味があり、観賞を希望する人は大地さん、電話(22)9002へ。来訪の際はマスクの着用を呼びかけている。
写真=小屋の中の菜の花に止まるギフチョウ(16日午前8時55分ごろ)