登校すると黒板いっぱいに絵のメッセージ 福高附属中1年の教室
2022年03月14日 のニュース
授業に使う教室の黒板いっぱいに絵を描く「黒板ジャック」が14日、京都府立福知山高校附属中学校1年生の教室であった。緑深い森の中、切り株に芽生えた小さな命を動物たちが優しく見守る様子が大迫力で描かれ、何も知らずに登校してきた中学生たちを驚かせた。
美術部によるサプライズ企画。非日常を楽しみ、発想力や創造力など人間の持つ力のすばらしさを感じてほしいと行っている。今年で7回目を迎え、過去には作品が「黒板アート甲子園」で入選したこともある。
イラストは高校生の美術部員12人が手掛けた。新型コロナウイルス対策で活動時間が限られる中、メンバーを2班に分け、交代で作業を進めることで時間を確保して11日~13日の3日間で完成させた。
「芽生え」がテーマ。切り株と植物の芽を中心に、フクロウ、キツネ、リス、シカ、クマなど15匹の動物を描いている。チョウやテントウムシなどもおり、黒板の緑を生かし、奥行きや立体感が出るように工夫した。
中学生たちは、「すごい」「これかわいい」と声を上げ、じっくりと眺めたり、写真を撮ったりしていた。美術部長で高校2年生の芦田琴美さんは「後輩たちが、学校生活で知識などをたくさん吸収し、友人や家族らに見守られながら、自分らしく成長してほしいという思いを込めています」と話していた。
このあと、美術部員と中学生が作品を鑑賞しながら交流。力作だったが、黒板は午前中で「解放」された。
写真=植物の芽を見守る動物たちが描かれた(14日午前8時ごろ)