亡き娘とフェイスブックで再会 市教委のスマホ講座をきっかけに

2021年11月18日 のニュース

 いろんな使い方を覚え始めたスマホで、ネットを閲覧していた福知山市石原の岩崎妙子さん(70)の手が止まった。離れて暮らしていて7年半前に亡くなった次女のフェイスブックがあったからだ。そこには生前の生き生きとした我が子の姿が残されていた。

 妙子さんは約1年半前に携帯電話をスマホに替えた。とはいっても普段は通話、写真、ラインを使う程度で、フェイスブックは見ていなかった。

 使うようになったきっかけは、市教育委員会などが10月に開催した初心者対象のスマホ活用講座に参加したこと。SNSについて学び、これが亡き娘との思いがけない出会いを呼んだ。

 次女は、大阪で働き、2014年に病気で他界、34歳だった。妙子さんはたまに連絡を取り合っていたが、次女がどんなふうに日々を過ごしていたかなど分からないことも多かった。

 講座で初めてフェイスブックのことを知って登録した妙子さん。「どんな人がいるのかな」と、いろいろなページを見ていて、一つのプロフィール写真が目に留まった。すぐに中を見ると、紛れもなく次女のものだった。

 日記代わりにしていたその中には、友だちと食事に行ったり、いろいろな所に出かけて楽しんだりする日々の様子などがたくさん残されていた。

 妙子さんは「早くに亡くなってかわいそうだったけど、どんな暮らしをしていたかが分かりました。楽しかったこともいっぱいあり、あの子なりに充実した人生を送っていたんだと、少しホッとできました。大切な宝物です」と話す。

 スマホ講座を担当する福知山公立大学情報学部の山本吉伸教授は「スマホ講座は、地方に住んでいても、一人ぼっちにならず、ほかのだれかとつながっていける機能があることを伝えたいと思って取り組んでいます。今後も、そのためのお役に立てたらうれしい」と話す。

 妙子さんは「娘と(SNSで)会えたのは、スマホ講座を受けたおかげ。まるで娘が背中を押してくれたみたい」とほほ笑んだ。

 
写真=スマホでフェイスブックを見る妙子さん

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