9割被災した水害から8年 戸田で復興ぶどうが収穫期
2021年08月08日 のニュース

京都府福知山市戸田地区の住民11人でつくる戸田ぶどう園(福山義朗代表)で栽培する「復興ぶどう」が収穫期を迎えた。2013年の台風18号の被災から立ち上がろうと、栽培を始めて8年目。愛情を注ぎ、天候にも恵まれて元気に育ち、「今年の実は大粒で甘みが強くてみずみずしい」と自信をもつ。11日から販売を始める。
台風18号で地区の9割以上の約90世帯が床上浸水し、田畑にもがれきが流れ込み、大きな被害を受けた。希望を失う住民が多いなか、福山代表が「前を向いて頑張ろう」と呼びかけて始めたのがブドウ栽培。旧中丹広域農道沿いにある自治会所有の荒れ果てた30アールをブドウ園に再生した。
今年は梅雨入りが例年にないほど早く、収穫量が昨年よりやや減少すると見込むが、梅雨明けも早く、日照に恵まれて順調に育った。旬を迎えた早生品種「紫玉」は色づいた実が鈴なりで、糖度も19度近くで例年以上に高いという。
品種はこのほか、「ブラックビート」や「藤稔」「ピオーネ」「シャインマスカット」など、収穫時期や色、味が違うものがそろう。
同園隣のローソン福知山戸田店に隣接する遷喬ふぁーむの朝市の直売所を借りて、11日以降は毎週土、日曜日の午前9時30分から販売する。当日朝の収穫分がなくなり次第終了する。
写真=鈴なりに実をつけた紫玉の糖度を測るメンバー