創業71年、ゴム焼きそば発祥のお好み焼き店 常連たちに惜しまれつつ閉店

2021年08月05日 のニュース

 創業から71年、名物店として親しまれてきた京都府福知山市東中ノ町のお好み焼き店「神戸焼」が、8月で閉店する。実父から店を受け継いだ杉田絹子さん(76)が切り盛りしてきた。同店発祥で福知山を代表するB級グルメ「ゴム焼きそば」や厚焼きのお好み焼き、絹子さんの気さくな接客などが人気だったが、現在は休業中。常連たちにも惜しまれながらのれんを下ろす。

 戦後の1950年に、先代の故・永井孝三郎さんが自宅で開店した。福知山では薄焼きのお好み焼きが多かった中、厚焼きのものを出したことで「神戸のお好み焼き」と評判になり、それがそのまま店名になったという。また、永井さんが戦時中に中国で食べた広東麺を再現しようと、市内の製麺所と研究して出来た独自の広東麺を使ったのが「ゴム焼きそば」。茶色い麺ともちもちの食感が特徴で、人気を集めた。

 絹子さんは兄と2人の姉、妹の5人きょうだいで、他の姉妹とともに、子どものころから店に立って手伝いをすることが多かったという。大人になってからは家を出て結婚したが、1981年に父親から後を継ぐよう頼まれた。他に継ぎ手もおらず、「私が何とかしないと」との思いで、夫の弘之さん(80)とともに実家へ戻った。

 当初はあまり良いとは言えない経営状態だったが、一品ものや酒の種類を増やすなどして、少しずつ店を盛り立ててきた。一品メニューは毎日変えてカウンターの黒板に書いた。「カキの塩焼き」「サケのホイル焼き」「牛すじみそ煮」など季節に合わせた内容で、常連にも喜ばれた。

 独特の広東麺「ゴムそば」を使った焼きそばは、ファンの間では有名だったが、「ゴム焼きそば」と呼ばれ、広く知られるようになったのは2014年ごろ。全国からの客も増え、テレビや新聞の取材を受けたこともある。絹子さんは、訪れる一人ひとりとおしゃべりを楽しみ、来店客とのコミュニケーションを大切にしてきた。

 歓送迎会の時期にはカウンターも含めた37席全てが埋まることもあった。店は順調だったが新型コロナウイルスの影響による政府の緊急事態宣言や絹子さんの体調不良もあり、4月下旬から休業。体調的にも再開が難しいと判断し、8月中に閉めることにした。

 店を手伝ってきた弘之さんは「やり切ったという思いで、本人も納得して閉店を決めました。今まで長い間、本当にありがとうございました」と来店客に感謝している。

 

写真上=ゴム焼きそばを作る絹子さん

写真下=神戸焼の外観

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