がんで亡くなった夫が「地域のために」と建てた家を開放 住民交流の場に

2021年07月28日 のニュース

 「毎週日曜日が待ち遠しく、ここが生きがいです」-。新型コロナウイルス禍で人と人との接触機会が減る中、京都府福知山市口田野の憩いの場「つぎの里」は、地域住民が交流を深める重要な場所となっている。車移動ができず、徒歩で訪れる高齢者らが多く、世間話などに花を咲かせる。

 2010年にがんのため亡くなった由良智さんが、生前、「地域おこしの拠点になれば」と、45平方メートルの平屋を建てた。これを地域の憩いの場として活用するため、妻の孝(たか)さんが14年2月から、毎週日曜日に地域の人たちが利用できるよう開放している。

 70代の9人がボランティアで運営。日曜日になると建物の玄関口に「open」のプレートを掲示して、午前10時から午後4時まで開けている。時間になると、高齢者たちが続々と集まりジュースやコーヒーを飲みながら、昔話や世間話をして楽しいひと時を過ごす。

 コロナ禍では、政府の緊急事態宣言が京都府に発令されれば休止することを決めている。直近では、4月から7月上旬まで休んだ。その間にも、利用者からは「次はいつ開けるの」と多くの問い合わせを受けていた。

 25日に訪れた80、90代の女性グループは、オープン当初から通っているといい、「この日を楽しみにしている。コロナで休みだったときは寂しかった」と交流を深めていた。

 孝さんは「地域の人に喜んでもらいたいと続けています。『つぎの里』は次の世代にもつなげたいとの意味を込めていて、お年寄りだけでなく、若い人にもこの場所への理解を深めてもらい、利用していただけたら」と話している。
 
 
写真=つぎの里で楽しく会話する利用者ら

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