後醍醐天皇を追慕、足利尊氏が創建した寺を住職が解説 庵我歴史探訪
2021年06月17日 のニュース

室町幕府初代将軍・足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため、1341年に創建した京都府福知山市猪崎の醍醐寺で、第35代の一常宗観住職(34)が寺の由来などについて話す「庵我歴史探訪」がこのほど開かれた。
桃映地域公民館と庵我地区公民館が共催し、定員いっぱいの50人が参加した。
一常住職は、後醍醐天皇や後村上天皇から「国師」の称号を与えられた名僧・三光国師(弧峯覚明)が同寺を開山したと説明。奥州会津(現福島県)生まれで、17歳で比叡山に登り天台教学を学んだこと、中国に渡って研鑽を積んだことなど、生涯を振り返った。
朝廷が京都の北朝と吉野の南朝に分かれていた南北町時代、三光国師は北朝方の尊氏から別の寺の開山住職として招かれたが、すでに南朝方の顧問格となっていたために、寺から抜け出し、現在の庵我地区に身を隠していたこと、その後に尊氏に見つかり説得され、醍醐寺の開山住職になったといったエピソードを紹介した。
醍醐寺には土佐光信の筆といわれる絹本著色三光国師像(市指定文化財)がある。
写真=開山の経緯などを話す一常住職