大震災の教訓忘れず初動訓練 消防本部が全職員を非常招集
2021年03月11日 のニュース

東日本大震災の発生から10年が経った11日、京都府福知山市消防本部は、震災の教訓を風化させないために「地震初動対応訓練」をした。兵庫県南部で震度7の大地震が発生したとの想定で、全職員を非常招集。市内の被害確認と緊急消防援助隊としての出動準備までを実践した。
毎年、この時期に地震などの災害対応訓練をしている。今回は非番の職員らも招集し、市消防本部の全職員129人が参加。事前に訓練があることを知らせない形式で行った。
訓練は午前8時30分開始。福知山市内も震度5弱の揺れが発生した設定で、市防災センターの防災研修室に災害対策本部を設置して職員を非常招集した。並行して、消防車両を巡回させて市内の被害状況を確認。被害がほとんどないことを把握してから、府の緊急消防援助隊として、被害が大きい想定の兵庫県での活動態勢を整えた。
職員らはそれぞれ、市内各所からの情報を取りまとめ、緊急援助隊の出動車両にはテントや発電機、食料を積み込むなどした。
福知山消防署の澤田秀巨署長が講評に立ち、「今回の訓練ではいろいろな課題が見つかった。それぞれが研究し、いざというときにどんな任務でもしっかりと出来るよう備えてほしい」と職員たちに伝えた。
写真=緊急援助隊の出動車両に物資を積み込んだ(11日午前9時ごろ)