続く水害にたまりかね、観音寺で住民が「対策考える会」結成 行政に改修要望も

2020年11月18日 のニュース

 度重なる内水被害に悩まされている京都府福知山市観音寺自治会(藤原博自治会長、281世帯)内の、大場・姫路地区を中心とした住民約30人が「水害対策を考える会」を発足させた。大雨の際、両地区を流れる農業用水路「2号水路」がたびたび氾濫するが、現状では抜本的な対策を講じるのは難しく、今後、情報交換を活発にして知恵を寄せ合い、氾濫時の水位を少しでも下げる手段を模索する。

 自治会には8つの地区があり、集落は府道とJR山陰線の両側に広がる。このうち山側の高野山真言宗・観音寺の下から府道、舞鶴若狭自動車道高架下付近まで続く大場・姫路地区の約50世帯は内水被害が大きい。2004年の台風23号の襲来時は、14世帯が床下、4世帯が床上浸水した。ほかの年にも大雨の際に水路があふれ、水位がひざ上まで達することが何度もあった。

 原因は、土地が低いため、大雨の際に綾部市側からの水と山側からの水が一挙に2号水路に集まること。観音寺地区を通る2号水路は幅が狭くて曲がりくねっており、流れが良くない。さらに、下流部のJR山陰線付近も一層狭くなるという構造上の問題がある。

 水害の恐れを感じながら暮らす日々にたまりかねた住民20人が、昨年5月に集まって内水被害について語り合い、「洪水時に水位を1センチ、2センチでも下げることが課題」との思いを共有した。今年8月には、水害対策を進める先進地、土自治会の田中正美さんを講師に迎えて話を聞き、参加者は「問題解決に向けて糸口を見つけ、行動を起こそう」と思いを新たにした。

 16日夜の設立総会では、宮本学会長が「水路氾濫時の水位が少しでも下がるように、住民が総力を挙げて水害のない住みよい地域づくりをしたい」とあいさつ。

 経過報告をし、会則を決めたあと、玉井陽一事務局長が当面の活動などを提案。隣接する綾部市高津町から観音寺地内に水が流れ込まないように整備してもらえば、2号水路の水量の低下が期待できるとし、23日に現地を歩き、福知山、綾部両市と府に改修の要望をすると説明した。観音寺公園下などへの地下貯留槽の設置や個人宅への雨水貯留槽の設置の必要性についても伝えた。

 会には他自治会からの入会もでき、今後、家族単位などでの会員の増強も図る。

 
写真上=2号水路が氾濫して一帯が湖と化した観音寺の大場地区(2013年9月の台風18号時)
写真下=設立総会で総力を挙げて水害のない地区にしようとあいさつする宮本会長

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