成美大で磨いた右腕 日本生命・阿部投手、オリックスのドラフト指名「とても光栄」
2020年10月27日 のニュース

福知山で育った選手がまた一人、プロ野球の世界に進む。京都府福知山市西小谷ケ丘の旧成美大学(現・福知山公立大学)出身、日本生命の阿部翔太投手(27)が26日、プロ野球のドラフト会議で、オリックスから6位指名を受けた。成美大では3年からエースとして活躍。「とても光栄。プロ入りしてからの目標はじっくり考えたい」と冷静に受け止める。当時の監督で、阿部投手との絆が強い峰地良和さん(52)は「とにかくめでたい」と祝福した。
身長178センチ、体重78キロの右腕。大阪府出身。高校は酒田南(山形県)に進み、主に捕手として活躍。2年の夏には甲子園にも出場した。当時は、峰地さんが同校野球部のヘッドコーチをしていて、「スローイングが良く、実力もあった」と振り返る。高校3年の5月ごろ、投手に転向したという。

高校卒業と同じころ、峰地さんが成美大のコーチに就任。慕っていた峰地さんを追って、成美大に入学した。
1年から抑えとして登板し、投手の経験を積んでいたが、2年のときに右ひじを故障。1年間の休養を余儀なくされるが、「そんな状況でもくさらず、ランニングなどトレーニングを続けていた。本当に心が強い男でした」と峰地さん。不屈の闘志で復帰し、監督に就任した峰地さんのもと、3年からエース、4年で主将も務めた。最速148キロの直球、闘志むき出しのプレーを持ち味に、結果を残した。
卒業後は社会人野球の道へ進み、日本生命に所属。150キロ右腕として、プロも注目する存在となり、19年には侍ジャパンに選出され、第29回BFAアジア選手権に出場。準決勝で先発するなどして、日本の準優勝に大きく貢献した。

■「市民に良い報告を」プロでの精進誓う■
会社の寮でドラフト指名を知った阿部投手は「子どものころから、プロは憧れの舞台でしたが、年齢的に指名はないと思っていたので、最初はうれしいというより驚きました」という。
大学時代については、「野球部は部員が少なく、1年から起用していただき、たくさんの経験を積むことができました。それが今に生かされています」。市内の大型スーパーでアルバイトもしていて、このときの仲間から祝福の連絡が届いているという。
「以前から応援してくれている仲間たち、そして4年間過ごして思い入れのある福知山のみなさんに、良い報告ができるよう、これからも精進していきたい」と話していた。
また恩師の峰地さんは、教え子の快挙を喜びつつも、「これからが大変。試練が待っていると思います」と分析。「ただ、今までやってきたことをブレずに続けていくことが大事になるでしょうね」とエールを送った。
写真上=大学時代からエースとして活躍していた(公立大提供)
写真中=ドラフトで指名を受けた阿部投手(日本生命提供)
写真下=150キロ右腕、社会人で活躍する阿部投手(日本生命提供)