観音寺所蔵、9世紀の不動明王立像を福知山市文化財指定

2020年10月04日 のニュース

 京都府福知山市観音寺の補陀洛山・観音寺(小籔実英住職)に保管されている木造彫刻、不動明王及二童子立像(りゅうぞう)が、このほど市文化財に指定された。不動明王、矜羯羅(こんがら)童子、制た迦(せいたか)童子の3体が組み合わさったもの。不動明王は9世紀(平安時代)に作られたと見られ、不動明王立像として市内最古級になる。

不動明王立像は像高45・5センチ。衣服の折り返しなどの重層感、頭部が大きく上半身が詰まるプロポーションなどから制作時期が推測されている。9~10世紀には不動明王の坐像が多く、立像は少ない。

また、両耳前に表現されている炎髪は、これまでに知られている他の作例が坐像では10世紀、立像は11世紀で、炎髪を表す不動明王像の最も早い例になると考えられている。

矜羯羅童子立像は像高23・5センチ。幼子が腰をかがめて合掌し、真ん中の不動明王を見上げる姿勢で「恭敬小心」の性格を表している。あどけない顔の表情や髪の動きなどが巧みに表現されている一方で、衣服正面の簡素な処理や側面から背面にかけての折り返し部にやや精彩を欠いた表現があり、13世紀後半(鎌倉時代)の制作と考えられている。

制た迦童子立像は像高が25・4センチで、11世紀(平安時代)の制作と見られる。怒った表情と両肩を怒らせて直立する様子で「瞋心悪性」を表し、髪の縁だけに巻き毛を巡らせたり、衣服の緩やかなうねりで動きのある印象を与えるなど見事な表現がされている。

3体の像は鎌倉時代以降、台座が新調された1787年(宝暦7年)までのいずれかの時期に三尊として組み合わされた。いずれも保存状態が良好で、市は「不動明王像は市の歴史上でも早期の作例で、その受容と展開を考える非常に重要な資料になる」としている。

観音寺では新型コロナウイルス対策として、当分は一般公開しない。新型コロナが落ち着いた頃に公開を考えている。

今回の指定で、市指定文化財の彫刻は合計40体、全体は146件となった。

(制た迦童子の「た」は口へんに託のつくり)


写真=市文化財に指定された木造不動明王及二童子立像(撮影・金井杜道さん)

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