広域避難所での感染症予防を習得 水害続く福知山市が訓練
2020年06月05日 のニュース
水害や地震などの災害時に、新型コロナウイルスなどの感染症予防対策をして広域避難所を運営していくため、京都府福知山市は、市職員対象の説明会を4日に市役所隣のハピネス福知山で開いた。避難所へ派遣される市職員52人がノウハウを習得した。
福知山は近年たびたび水害に遭っており、市は災害発生の危険がある場合、市内52カ所に広域避難所を開設する。
避難所運営にあたっては、毎年、4月に担当職員の代表者に研修をしているが、今年は新型コロナの感染予防対策のために初めて使う物品や新たな対応が多く出てきたことから、担当職員全員を対象に開いた。
説明会は、密集状態を避けるため時間帯をずらして3回に分けて実施。避難所の担当職員はマスクとフェイスガードを着用し、手指消毒や自分専用の筆記用具を使うこと、受付では避難者に手指の消毒とマスク着用を徹底し、避難者名簿や健康状態などを質問票に記入してもらうことを市危機管理室が説明。検温をして、体温が高いなど体調不良の人は特設スペースへ誘導するといった手順も示した。
避難所では、一日に3回、避難者に健康観察と検温を実施すること、避難所閉鎖後は感染リスクが比較的高いと考えられるトイレの清掃、消毒を念入りにするなどの対応も求めた。
このあと、参加者が職員と避難者役に分かれ、受け付け方法を疑似体験した。間隔を空けて並んで待ってもらい、質問票や検温結果を確認。コロナに限らず、感染症が疑われる人の特設スペースへの案内対応をした。
また、避難所で使う隔離用のテントや段ボールベッド、簡易トイレなどの紹介と組み立て方の実演もした。
受付係を体験した職員は「一人ひとり、きちんと質問票などに記入してもらい、安全な避難所になるよう努めたい」と話していた。
写真=受け付けの手順を学ぶ職員