晩夏の風物詩「丹波大文字」中止 コロナで法要も

2020年05月12日 のニュース

 京都府福知山市の晩夏の風物詩で、毎年8月16日夜にある丹波大文字送り火と法要が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中止されることが決まった。送り火は、2014年に大雨で取りやめになったことはあるが、法要の中止については、行事開始の1952年以来初めてとなる。

 古都・京都の五山の送り火にならって始まった。平和への祈り、追悼、安らかな毎日への願いを込めた「大」の火文字を、奥野部の姫髪山(標高406メートル)にともす。昨年には68回を数え、福知山の伝統行事となっている。

 ふもとの新庄、奥野部両自治会の有志でつくる丹波大文字保存会(和久唯知郎会長)が主催。福知山商工会議所、福知山観光協会、市仏教振興会が共催している。

 法要は、御詠歌奉詠、市民らが願いを込めて書いた塔婆の供養、僧侶の読経、参列者の焼香などをして、戦没者や先祖を慰霊する。13年の福知山花火大会屋台爆発炎上事故で亡くなった3人も悼んでいる。

 大文字保存会と仏教振興会の両役員が、4月29日に話し合い、今年度の開催可否について協議。準備には早くから大勢の手がかかるため、新型コロナ感染拡大の現状を見る中で、今の段階での中止を決めた。

 保存会と振興会は「私たちはいま、感染拡大でまったく先が見えない暗くて深いトンネルの真っただ中にいます。しかし、早期に終息し、来年度は開催できると信じています」としている。


写真=暗闇に浮かび上がる「大」の火文字が今年は見られない(昨年の送り火)

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