高浜原発災害を想定して避難訓練 ヨウ素剤配布や汚染検査も
2019年12月03日 のニュース

福井県の高浜原発から半径30キロのUPZ(緊急時防護措置準備区域)圏内にある京都府福知山市大江町有路下地区で、原子力災害時の避難と安定ヨウ素剤の配布訓練が11月30日にあった。住民46人が参加し、万が一の事態に備えた。
毎年実施しており、今回は防災行政無線による避難指示に従い、集合場所の有路下体育館(二箇下)に集まったあと、甲状腺がんを予防する安定ヨウ素剤を受け取るまでの流れを、改めて確認した。
まず市立福知山市民病院の薬剤師が、効果や副作用などを説明。引き続き問診があり、問診票を見ながら注意事項などを再度確認し、ヨウ素剤に見立てた塩分チャージ用タブレットを配布した。
市民病院薬剤部の足垣亮介主任(38)は「訓練を重ねることで、ヨウ素剤を配布するまでの流れがスムーズに出来るようになりまし
た。いざという時に混乱しないよう、今後も続けていくことが大切だと思っています」と話した。
この訓練は、府が主催した原子力総合防災訓練の一環。参加者たちは、メイン会場の府立丹波自然運動公園(京丹波町)までバスで移動し、放射性物質の汚染がないかを調べるスクリーニング検査などの訓練もした。
三河の自治会長、山田文明さん(54)は「高齢者が多い地区であり、原発事故への備えとして、繰り返し訓練をすることが重要だと考えています。今後は若者の参加も増やせるよう、さらに呼びかけたい」と話していた。
写真=集合場所の体育館で問診を受ける参加者