製糸工場で戦闘機 初公開資料も並べ、グンゼが創業の地で昭和アーカイブ展

2019年08月30日 のニュース

 グンゼが創業の地・京都府綾部市青野町、あやべグンゼスクエア内のグンゼ博物苑で「昭和をたどるアーカイブ展『郡是からグンゼへ』」を開いている。軍需用の絹製パラシュートを初公開するなど貴重な資料で構成した。戦時と平和な時代の対比が歴然とする。9月8日まで。

9月1日から7日まで国立京都国際会館などで開かれる第25回国際博物館会議(ICOM)京都大会を記念しての開催。

グンゼ博物苑は1996年に創立100周年を記念して設けた展示施設。大正時代に繭蔵として使われていた建物を改装し、養蚕や製糸の道具・機械、時代とともに移り変わる多様な製品などを集めた産業技術史資料館になっている。またCMやポスター、製品でファッションの移り変わりも見ることができる。

 こうした常設展とは別に、アーカイブ展では蚕糸業をとりまく環境が大きく変わった昭和の写真を中心に展示した。国全体が戦時一色に染まる中で、製糸工場だった郡是(グンゼ)も国により「郡是工業」の名に変わり、軍需工場として作業衣や、砲弾を撃ち出す発射薬(装薬)を包む薬嚢縫製、養父、八鹿、福知山などの工場では戦闘機「紫電」の部品製造や組み立てを行っていた。

パラシュート作りもその一つ。現物の一部が社内に残っていたことから、歴史の証人として初公開した。傘の部分に加え、ロープも絹でできている。

入場無料。火曜休館。

スクエア内の道光庵では9月5、6両日に午前10時と午後2時の各2回、創業者・波多野鶴吉を描いたオリジナル紙芝居を上演。また静岡に茶、山形にサクランボ、弘前にリンゴ、千葉に落花生を残し、何鹿郡(現綾部市)で郡の是(正しくすすむべき道)を説いた明治の官僚前田正名のドラマ(50分)を、8月31日午前11時、午後1時、3時の3回上映する。

問い合わせは電話(42)3181(平日・グンゼ本社)、(43)1050(博物苑・土日)。


写真上=終戦直後に撮影したと見られる写真。製糸工場が戦闘機を作る工場になっていた
写真下=軽く丈夫な絹はファッションではなく軍需製品としてパラシュートに使われていた

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