ヒヤリ、網戸一枚挟んで対面 家の中のぞく親子グマ

2019年08月09日 のニュース

 網戸を挟み、わずか数十センチの距離でクマと対面-。京都府福知山市一ノ宮の石田卓さん(84)は8日朝、家の中にいながら、こんな恐ろしい体験をした。

 朝から暑く、午前6時30分すぎ、サッシ戸を開けて網戸だけにしていた部屋で涼もうとしたところ、目の前にクマが1頭現れた。急いでカメラを取りにいくと、クマは裏山へ姿を消した。

 ところが、間もなく再び山から戻ってきた。今度は子グマを連れて。ちょうど朝食の準備中で、家の中から良い匂いがしていたからか、好奇心旺盛な子グマは、網戸に両手をかけて、しきりに中をのぞく。

 石田さんはガラス戸をすぐに締められる態勢を取りながらシャッターを何度か切った。網戸越しなので、クマがシルエットのようにしか映らないが、さすがに網戸を開けて撮ることはできない。

 こうして数分。親子は山へ帰った。

 このところ近辺でクマの目撃情報が多く、石田さんは、同じ個体かもしれないという。「近ごろのクマは人を恐れず、人の気配がしても逃げないので、バタッと出会うのが怖いですね」と話す。

 もし、網戸も開けていたら、クマはおそらく家の中。網戸一枚が、野生の世界と人間の生活圏を分けた。

 

写真=石田さんは網戸越しに何枚も写真を撮った。子グマは鼻先もつけて家の中をのぞきこむ

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