合併後使われない議場を大江高サテライト教室に
2019年06月26日 のニュース
福知山市大江町金屋の京都府立大江高校(永井正樹校長)は、来春新しく「地域創生科」を設けるのに合わせ、市役所大江支所(河守中央)2階にある旧大江町の議場を活用し、サテライト教室を設置した。生徒たちが地域の課題を解決するための知識を身に着ける場として、今年度から使っていく。
大江高は普通科総合選択制とビジネス科学科の2学科があるが、府北部地域の人口流出や少子高齢化による地域の担い手不足、地域産業の振興などに対応できる人材の育成を目的に学科を改編。来年4月から、総合学科の「地域創生科」1学科にする。
旧町議場は、大江町が市と合併した2006年以来、ほとんど使われなかったため、市から使用許可を得て、地域創生教育の拠点となる校外教室として活用することにした。
教室の名称は「知(地)恵の輪ホール」。議長席や議員席、傍聴席はそのまま残し、ほかにメモ台が付いたいすも備え、100人が学べるようにした。
講義やグループワーク実習、研究発表の場として使うほか、支所がまちの中心部にあるという地の利を生かし、地域住民や近隣の教育・行政機関、企業・団体などと交流を図る場にもする。
また議場としての形が残っているため、主権者教育で模擬議会を開く際にも利用する。
65インチのモニターテレビや放送機器などが備わっており、今後は200インチスクリーンやビデオプロジェクターなどの導入も構想として考えている。2学期から生徒たちが学習に使う。
25日に開設記念式典が開かれ、行政、教育関係者ら約20人が出席。永井校長は「サテライト教室で生徒たちが地域のみなさんと輪になって知恵を出し合うことで、持続可能な地域づくりに寄与していきたい」とあいさつ。同校3年の大西晴太生徒会長が「学習環境に恵まれた大江地域で、今後もしっかりと学んだことを地域にお返ししたい」と述べた。
写真=サテライト教室は議場の形をほぼ残した状態で活用していく