がん克服の元Jリーガー大槻優平さん 母校成和中で後輩にエール
2019年06月18日 のニュース
がんを克服してJリーグで活躍した、京都府福知山市出身で元プロサッカー・ツエーゲン金沢のMF大槻優平さん(31)=城陽市=が17日、母校、福知山市新庄の成和中学校(廣田康生校長)で、成和ブロックの小中学生に講演をした。自身の生い立ち、プロサッカー選手としての経験を伝え、「夢や目標を持って頑張ってほしい」とエールを送った。
成和中学校と、上豊富、天津、修斉の3小学校で作る成和ブロックの取り組みで、子どもたちが希望する進路実現に向けた力をつけるため、各分野で活躍する先輩を招いて話を聴いている。
今年度は2人の先輩の講演を予定しており、今回は今安出身の大槻さんが講師。現在、京都サンガFCのU15コーチを務めている。モンテディオ山形のFW周平選手は弟。
大槻さんは子どもたち424人を前に、「兄の影響でサッカーを始め、小学生の時は朝7時くらいには家を出て学校で練習していました。そのころから、プロをめざすと決めていました。中学生の時はサッカーをしながら、みんなが楽しく学校生活を送れるようにと、生徒会長にもなりました」と紹介した。
高校時代には京都パープルサンガユースへ入って寮生活をし、「レギュラーとして出場もしましたが、トップチーム(J1)に昇格できず悔しい思いをしました」と振り返った。
大学は静岡県の浜松大に進学。途中で精巣がんと肺や腹部への転移が見つかり、「もう自分は死ぬんだと思った」と伝え、「半年ほど入院して治療をしました。髪は抜け落ち、体重は減り、サッカーができる状態ではなかった。でも、友人の見舞い、家族の支えがあったから、頑張ろうと思えました」と話した。
完治後は大学に復学して懸命にリハビリに励み、サッカーの全国大会3位に貢献できるほどに。卒業後は金沢に加入し、6年間現役で活躍。J2にまで昇格したチームを支え続け、17年に引退した。
「この間も同級生やいろんな人が応援に来てくれたりして、みんなに支えられて自分があるんだなと感じていました」と感謝。「夢や目標、素直さとあきらめない気持ちを持ち、当たり前のことへの感謝をしながら自分の人生を歩んでください」と伝えた。
最後に、印象に残った大会、好きな選手などの質問に答え、「リフティングのコツは」と聴かれると、「リフティングは苦手なんだけど」と笑いながら、実演してコツを教えた。
写真上=母校で後輩にリフティングをして見せる大槻さん
写真下=「支えがあったから、頑張ろうと思えました」と話す大槻さん