災害に強いまちにと雨水ポンプ場/福知山市予算1

2019年02月27日 のニュース

 前年度比11億6千万円増の416億円。京都府福知山市の2019年度一般会計当初予算案は、2006年の1市3町合併以後で最大規模に膨れ上がった。市は「昨年7月豪雨の災害復旧費、地方債繰上償還金の影響が大きく、これを除けば前年度より1億円削減できた」と説明する。しかし、財政がひっ迫する状況に変わりはない。就任3年目の大橋一夫市長は、財源が限られる状況のなか、どこに重点を置いて予算を編成したのか。主な施策を「災害に強いまちづくり」「光秀大河に向けた観光戦略」「医療・介護・福祉の推進」の3つのテーマに分けて見る。

 まず「災害に強いまちづくり」施策。福知山市街地の広範囲が浸水した2014年の8月豪雨災害を受け、国、府、市で15年度から継続して進めてきた「由良川流域における総合的な治水対策」事業が、19年度に計画の最終年度を迎える。

 全事業が完了すれば、すでに完成している貯留施設などを含め、8月豪雨と同程度の雨の降り方であれば、市街地の床上浸水をおおむね防げるようになる。いずれも19年度中の完成をめざし、建設工事が加速する。

 内水被害を何度も受けてきた土師地区で、昨年度から進められてきた段畑雨水ポンプ場の建設には、11億800万円をかける。排水能力は毎秒7・2立方メートルで、浸水被害を大きく軽減させるという。

 法川の内水対策として、雨水排水路の新設工事も、引き続き進めていく。19年度は5億5600万円の予算を割り振り、野家の一宮神社付近から法川下流の福知山城前まで、延長1100メートルの排水路を完成させ、排水能力を高める。

 雨水を一時的にためるため、川に接続する調節池、川から離れた調整池も整備中。法川流域の3カ所は、計4万8千立方メートルの貯留容量を確保する。弘法川流域は1カ所で、貯留容量は3万立方メートル。

 19年度当初予算の24億9800万円を含め、「総合的な治水対策」事業に費やした額は、総額108億1600万円。19年度中の各種ハード事業の完了を見込み、「水害に負けないまち」をPRする事業に100万円も組み、シンポジウムや現地見学会などを開く。


写真
=建設工事が進む段畑雨水ポンプ場(福知山市提供)

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