丹波漆の魅力を全国に 人間国宝が器を制作

2019年02月26日 のニュース

 福知山市は今春から、夜久野町などで生産され1300年の歴史をもつ丹波漆のPRに一層力を入れる。木工芸家で人間国宝の村山明さん(74)=宇治市=に、明智光秀の家紋・桔梗をかたどった漆器の制作を依頼し、このほど完成。また、京都府福知山市夜久野町平野のやくの木と漆の館などが、近く京都市で開かれる府主催の伝統工芸を主とした見本市に出品する新製品と、4月から市民に無料で貸し出す漆器を作った。

 村山さんが制作した漆器「欅拭漆桔梗文盛器」(直径約47センチ)は、丹波漆製品のシンボルとして位置づける。市の木である「ケヤキ」を彫刻刀やノミで削り出して複雑な曲線や丸みのある形を作る「刳り」という手法を用い、鉋を使って成形した。

 このあと、生漆を木地に塗っては毛織物で拭き取る作業など19の工程を経て仕上げた。制作期間は約3カ月。輸入漆は一切使わず、年間2キロほどしか確保できない貴重な丹波漆のみを使って10回ほど拭き重ね、美しい艶と透けた木目をもたせている。

 村山さんは漆を活用した伝統工芸作品制作の第一人者で、福知山市展工芸分野の審査員を務めるなど福知山の伝統文化に対する造詣も深い。丹波漆について「とても透明度が高く、ツヤの上がりが早いのがよく分かる」と評価している。

 市では「来年、明智光秀を主人公にした大河ドラマが放映される。大河ドラマ関連の展示とも併せて、この漆器を展示する機会を増やすことで、丹波漆を全国にPRしたい」と話している。

京都市で開催の見本市に新製品

 3月8、9両日、京都市下京区のホテルカンラ京都で開かれる伝統工芸品見本市「ダイアログ」には、やくの木と漆の館が中心となり、新製品を出品する。

 全部で12種類。長田野工業団地の浅田可鍛鋳鉄所とのコラボで作った漆を塗った鋳物の「丹波栗箸置き」や、丹後二俣紙とコラボしたピアス、ネックレス、かんざし。漆の木を使ったスプーン、酒器などもある。

 ダイアログは「親密な工芸」がテーマで、全国各地の伝統的な背景を持つ作り手の製品が集まる。時間は午前11時から午後7時(9日は午後5時)まで。入場料1千円で、うち500円分を出展商品の購入に利用できる。

4月から市民に無料で貸し出し

 やくの木と漆の館は、市民に漆器に触れてもらう機会をつくろうと「レンタル漆器」を作った。市内在住、在学、在勤者を対象に4月1日から無料で貸し出す。

 製作したのは丹波漆塗りの平皿(大・中・小)や、そばちょこ、ヒノキ箸、スプーン、フォーク、角膳の8種類。数量は種類によって違い4個から10個まである。このうち平皿の大は、昨秋に福知山城で開催された将棋の竜王戦の際に、羽生善治元竜王、広瀬章人竜王のお茶受け用として使われた。

 貸し出しには条件がある。貸出期間は10日間(借用・返却含む)。問い合わせ、申し込みは同館、電話(38)9226へ。

写真上=人間国宝の村山さんが制作した桔梗をかたどった漆器
写真中=制作作業をする村山さん
写真中=京都市の伝統工芸見本市に出品する新製品
写真下=市民に貸し出す漆器

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