夏を彩る北近畿のブランド野菜

 全国から注目を集める、北近畿の農家が丹精込めて作るブランド野菜。太陽の光をたっぷり浴びて、栄養と旨みを蓄えた旬の味わいを、家庭の食卓でお楽しみください。(2025年8月号)
※内容は取材時のものです。その後、変更になっている場合があります。

万願寺甘とう

肉厚ジューシー、辛くない

選別基準に沿って「秀」「優」「良」の3ランクに選果する。大柄で色艶良く、曲がりも軽微な「秀」がもっとも良いとされる
松行さんは三和町で万願寺甘とうの栽培を始めて10年。計画的かつ丁寧な作業で、安定した品質を守っている。「一番おいしい瞬間を逃さずに収穫したいので夏の間は休みなしです」

 艶やかな濃緑色、すらっと伸びる大型のフォルム、肉厚でジューシーな旨味が魅力の『万願寺甘とう』。辛みが発生しない唯一無二の品種で、徹底した品質管理のもと、舞鶴市、福知山市、綾部市の限られた地域でのみ栽培されている。

 「京のブランド産品」第1号。「とうがらしの王様」と評され、贈答品としても人気がある。最盛期は夏だが、出荷は12月ころまで続き、JAにのくにの直売所「彩菜館」や地元スーパーで販売している。

 福知山市三和町にある松行輝さんのハウスでは朝5時から収穫が始まる。記録的な暑さが続くが、遮光ネットで日光を調節したり、ミストで温度を下げるなど細やかな世話の甲斐があり、今年も長さ17㎝以上の「秀」ランクがたくさん出荷できている。

 単体で焼くだけでも十分おいしいが、松行さんの一押しはBBQ。「油とお肉との相性が抜群です。豚肉を巻いて食べるのもおすすめです」

シルクコーン
果物より甘い!? 生食できる白い粒

とれたてを生でかぶりつくのが醍醐味
ひげが茶色くなっているのが食べごろ

 粒が絹のように真っ白な『シルクコーン』。兵庫県豊岡市但東町では江戸時代から絹織物が盛んなことからこの名前が付けられた。

 但馬地方特有の厳しい暑さの中で育つ実は、従来のスイートコーンと比べて極めて甘く、糖度は18度以上。みずみずしく、皮も柔らかいので、取れたては生でも食べられる。

 栽培期間は8月中旬まで。JAたじまの直売所「たじまんま」やオンラインショップで購入できる。購入時はシルクコーンのシールを目印に。

 また「たんとう花公園」(但東町畑山)では、8月7日からシルクコーンのもぎ取り体験ができる60アールに約2000本が育つ畑の中を食べごろを探して収穫する。「ぜひその場でかぶりついてみてください」と但東シルクロード観光協会。1本400円。期間は1週間から10日ほど。時間は午前9時から午後4時まで。問い合わせは℡0796-54-0500(観光協会)。

京  夏ずきん ビールのお供に! 大粒でもちもち

実の厚みが10㎜ほどに育つと収穫のサイン
緑豊かな自然に囲まれた井上さんの畑。秋の枝豆「紫ずきん」も栽培している

 濃厚な旨みと甘み、大粒でもちもちの食感の『京 夏ずきん』は、ビールのお供にうれしい夏限定の枝豆。

 丹波黒大豆から生まれた京都府オリジナルの品種で、秋に登場する「紫ずきん」とともに「京のブランド産品」に認証されている。今年はさらに品種改良し、うまみ成分がパワーアップ。

 福知山市、舞鶴市、綾部市、亀岡市、京丹後市、南丹市、京丹波町の6市1町の畑で栽培され、8月中旬まで地元スーパーやJAの産直館などに並ぶ。

 枝豆栽培歴約30年、福知山市夜久野町の井上義和さんは、「今年は降水量が少なく水やりが大変ですが、今のところ例年どおりの品質と収穫量が期待できそうです」と話す。昼夜の寒暖差が大きく、山に遮られ西日の影響を受けにくいこの場所は枝豆が育つのに適しているといい、さやの中で次々と実が膨らんでいる。機械を使うと傷がついてしまうため、摘み取りから選別まで妻の光子さんと2人、手作業で行っている。

2025年8月1日更新

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