食欲の秋だよ! お腹いっぱいお米を食べよう

猛暑と米不足で苦しんだ夏が過ぎ、いよいよ新米が食卓に並ぶ季節です。
美味しいお米をお腹いっぱい食べられるお店や商品を紹介します。(2024年9月号掲載)

※情報は取材時のものです。お出かけ前にお店にご確認ください


喜古里朝来市

★ 1人前ずつ炊く釜飯と滋味あふれる料理に舌鼓

 築150年の古民家で、板前歴30年以上の足立卓也さんが妻の典子さんと営む。アラやカマなどを贅沢に使った魚の煮付け、旬の食材のかき揚げなど、丁寧な仕事が光る和食が評判の人気店。

 中でも多くの人が目当てに訪れるのが、1人前ずつ釜で炊いて提供する「釜飯」。鰹と北海道昆布など複数の素材からとる出汁をベースに、穴子や鯛、松茸など季節限定を含め5~6種類がメニューに並ぶ。お米は地元・粟鹿地域のコシヒカリ。弾力のある食感が特徴で、もち米が入っているみたいと驚かれることもある。

 その日の仕入れで変わる、おまかせ定食は2200円。通常の釜炊きの白ご飯が付くが、プラス料金で具材入りの釜飯に変更できる。
記者は+1100円で「鯛釜飯」に変更した。ほかにも、まつたけ(+1100円)、きのこ(+330円)、播州穴子(+800円)などがある。
(種類は季節や仕入れで変わる)

炊き立てが運ばれてくる。湯気も香りもごちそう
ホテルの料理長を務めた経験もある足立さん。典子さんの穏やかな接客に心も和む
室町時代の豪族・与布土氏(山崎氐)の子孫の家と伝わる、築百五十年の古民家

兵庫県朝来市山東町喜多垣294 
℡079-676-2790
【営業】11:30~14:00(L.O.13:55)※予約が確実/夜は要予約  
【定休日】火曜日   
Pあり 


シュエット食堂丹波市

★ 祖父が育てた新米を好きなおかずと一緒に

 おかずを自由に選んで自分好みの定食が食べられるお店。定食のかなめともいえるご飯は一升炊きのガス釜で炊き上げている。「今の時期は祖父が育てた新米を使います」と店主の吉住知容さん。「几帳面な性格で細やかに世話をするからか、甘く粘り気があっておいしいんですよ」。

 妻の理紗さんが手作りするおかずは、肉じゃが、揚げたてのフライや自家製ソースのハンバーグなど8種類。だし巻き卵、汁物、小鉢も数種類の中から選べる。

 取材時は店の人気メニューで揃えてもらった。自家製タルタルたっぷりエビフライ(480円)、具材がゴロゴロ入ったとん汁(200円)、溶けるような食感のだし巻き玉子(明太マヨ250円)など、どれも白米が進む味。ご飯は小盛200円、中盛り250円、大盛り300円がある。

 家族の好き嫌いがバラバラで外食時のお店選びに困ったことがあるという吉住さん。「おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで、みんな好きなものでお腹いっぱいになってください」。

揚げたてサクサクのエビフライ。お客さんから好評で限定メニューからレギュラーに昇格した
だし巻き玉子はプレーン、ネギ、明太マヨの3種類ある。ふわとろじゅわの食感がたまらない! 是非食べていただきたい一品(記者の感想)
焼肉店『七輪亭鶴べえ』で、昼だけの間借り営業。掘りごたつやテーブル席の個室でゆっくりできる
吉住さん夫婦

兵庫県丹波市氷上町市辺204‐1 (夜は焼肉店『七輪亭鶴べえ』)
℡080-2505-6588
【営業】11:00~15:00
【定休日】月・火曜日(祝日の場合は営業)
 駐車場あり
Instagram


ZIP CAFE与謝野町

★ 20品目のおかずと炊き立てごはん

 与謝野町の鋳物製造業「シオノ鋳工」が従業員の健康を気遣って始めた社員食堂が原点。20品目もの食材を使って手作りする自慢の味を、一般の人にも食べて欲しいと開店した。

 人気の日替わりランチ(1650円)は、メイン、副菜、汁物などがお盆に並ぶ。取材時は、ピビンそうめん、肉豆腐、とりからなど。
「和洋中と多彩で、今日はなんだろうと楽しみにしています」と同社広報の吉岡誠さんは話す。

 毎日変わらないのは、白いご飯。地元の園芸店・三光園が育てるコシヒカリをガス釜でふっくらもちもちに炊き上げている。ひめ盛(小盛より少ない)から大盛までサイズが選べるのもうれしい。

開放的な店内。社員食堂も兼ねている
「栄養バランスを考えた手作り料理で元気になってほしい」と話すスタッフのの塩野菜央さん
外観

京都府与謝郡与謝野町明石2396-1  
℡0772-42-7700
【営業】朝食8:00~10:00 /ランチ11:00~15:00/カフェ10:00~11:00、15:00~17:00
【定休日】無し  
駐車場あり
HP https://zipsquare.jp/cafe/


北陵うまいもん市 「雲原店」福知山市

★ 「おくどさん」で炊く水車米

 雲原地域の住民有志が集まって、毎週日曜日のみ営業。水車の動力で精米した「水車米」をおくどさん(昔ながらの竃)で炊いたご飯と、地元野菜たっぷりの手作り料理が名物で、開店直後から次々とお客さんが訪れる。

 火加減が難しく、おくどさんでご飯が炊ける人はメンバーの中で数人だけ。3升の米を釜にいれ、薪をくべながら20分、蒸らすこと15分。つやつやのご飯が出来上がる。

 おかずは野菜のコロッケ、野菜の天ぷら、野菜のカツカレーの週替わり。副菜もついて、ご飯のお代わりは自由。常連さんは「メインのおかずで1杯、小鉢で1杯食べちゃいます」と話す。

住民手作りのおくどさん
おくどさんで炊き上がったご飯
厨房では、調理担当の住民たちがてきぱき動く姿が
屋外の席もあり、ワンちゃんと訪れる人も
店長の中村さん
水車の動力でコットンコットン12時間。ゆっくり精米する

京都府福知山市雲原772ー1 
℡090-3284-8812
【営業】毎週日曜日 11:00~15:00  
駐車場あり

※9・10月は農繁期で、地元行事も多く休業。11月3日日から雲原こんにゃくの発売と同時に再開予定


与謝野米の郷土料理を自宅で味わう

【与謝野町】 加悦ファーマーズライス

 地元・与謝野町産のお米で、丹後地方の郷土料理「丹後のばらずし」や「焼鯖寿し」などを製造している。創業当初から目指しているのは、米の食味ランキングで最高特Aを獲得した丹後産コシヒカリの産地で「自然循環農業」を推進する与謝野町の米の美味しさを全国の人に届けること。

 調理する直前に精米し、大江山連峰の湧き水を使って炊飯。「シャリの一粒一粒が立った、艷やかな食感になるようこだわりました」と開発担当の浪江さんは話す。

 高速道路のSA・PAや京都駅、京都大丸など百貨店で販売。詳しくは本社へ問い合わせを。オンラインショップからも購入できる。(「京の加悦寿司オンラインショップ」で検索)

「丹後のばらずし」。日本海でとれた鯖を焼いたものを、自社の大鍋で甘辛く炒りつけたそぼろが特徴。960円

「焼鯖寿し」1380円

「丹後のばらずし」

「焼鯖寿し」

開発担当の浪江さん(左)と業務部の千賀さん。工場は田んぼに囲まれた自然豊かな場所に建つ

《本社・工場》与謝郡与謝野町香河424  ℡0772-44-3630 問い合わせは平日の9:00~17:30
※本社、工場では販売していません


おうちで気軽にかまどごはんが食べられる

【丹波市】閑心窯の『かまどはん』

 陶器製の羽釜に一合分の米と水を入れ、かまどにセットした固形燃料に火を付けたら30分、ふっくらもちもちのご飯が完成。難しい火加減は無用、炊き込みご飯も作れる。

 山南町石龕寺の近くに「閑心窯」を構える陶芸家・大杉康伸さんが開発した。オール電化の家でも土鍋ごはんが食べたいとの声を聞いたのがきっかけ。手作りならではの土の趣と、食卓に置ける小型サイズが好評で、一昨年の販売開始以来すでに2000個の注文を受けている。

 かまどと羽釜のセットで送料込み1万1110円。使い勝手を良くした改良版を、9月24日からクラウドファンディングで販売する。(『Makuake かまどはん』で検索を)。期間中は10%オフ(送料込み9999円)で購入できる

カラーは3色(写真は提供)
陶器は熱を蓄える力が大きいため、同じお米であっても、美味しく炊けるという(写真は提供)

備前と伊賀で修業したのち、父の故郷・丹波市で登り窯を築いた大杉さん。ギャラリーにはシンプルで温かみを感じる器が並ぶ

《ギャラリー》兵庫県丹波市山南町岩屋102 ℡0795-77-0335 
https://kanshingama.com/


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