食欲をそそる刺激的な香り スパイスカレー
毎年想像を超えてやってくる夏の暑さ。スパイスたっぷりのカレーを食べて備えましょう。植物の果実や種、皮などを加工したスパイスは体の不調を改善する効果も。刺激的な香りが食欲を刺激してくれます。(2024年6月号掲載)
※お店の情報は取材時のものです。変更になっている可能性がありますので、お出かけ前にご確認ください。
毎日食べたい本場仕込みの味
兵庫県丹波篠山市/ヒマラヤンワルツ
ネパールで7年間暮らした経験を持つ東拓夫さんが、妻の千世子さん、息子の和史さんと切り盛りするスパイスカレーの店。
ネパールでは、カレーが主食。毎日食べていたという拓夫さんが、身に沁み込んだ本場の味を、地元の食材を使って表現する。
「毎日食べたらさすがに飽きるのでは」という疑問は、お店の味を実際に体験すると納得できる。骨付き肉の出汁が利いたすっきりした味わいのチキンカレー、野菜をスパイスで炒め煮した「サブジ」、挽き割り豆をとろとろに煮込んだダールカレーなど、色も風味も千差万別。それらを一つの皿にのせて提供する。
現地では『ダルバート・タルカリ』と呼ばれる定食のようなスタイルで、サラダや漬物も付いて栄養バランスは満点。混ぜあわせながら、味の変化を楽しむのもよい。
肉団子のコフタカレー、酸味がアクセントのポークビンダルーなど、レパートリーは豊富。週替わりで登場する。
「素材に合わせて出来上がりを想像しながらスパイスを調合するのが楽しい」と拓夫さんは話す。
兵庫県丹波篠山市大山上860
電話079-506-2028
(営)木~日曜日 11:00~17:00
老若男女に愛される、ベストバランス
社会福祉士とサブカル好きの料理人が共同で経営するアットホームなカフェ。
「たねふねカレー」(800円)はお店の看板メニューで、子どもや高齢者、食欲旺盛な若者まで年齢問わずこれを目当てに訪れる。
料理人の井上恭輔さんは北近畿でいち早くスパイスカレーに注目した一人。2010年に舞鶴市でキッチンカーで販売を始め、マニアたちを喜ばせた。
淡路産の玉ねぎをじっくり3時間炒めて甘みを引き出し、8~10種類のスパイスと合わせる。重層的な香りとコクを表現しながら、辛みや刺激は誇張しすぎない絶妙なバランスは、長年改良を続けてきたからこそ。
また鶏肉は「上林鶏」の親鶏を使用。これからの時期は万願寺甘とう丸ごと1本のトッピングが登場するなど、この土地ならではの食材が楽しめる。
京都府綾部市新庄町八田古8-4
電話0773-21-7375
(営)木・金・土曜日は11:00~夕方か夜まで※日曜日は14時まで
(休)月・火・水曜日
枠にとらわれない自由なスタイルの味を提案
京都府京丹後市/ザ・スパイス カンパニー
大阪でアパレル店を営んでいた柴田琢磨さんとイタリアンシュフの奥田真人さんが故郷で開いたスパイスカレー専門店。何十種類もあるスパイスと食材の組み合わせは無限大。その奥深さに魅了された二人が、洋服をコーディネートするように楽しみながら多彩なカレーを生み出す。
カレーは定番のチキンと月替わりの3種類を用意する。6月は乳製品を加えた甘口の「バターポーク」、ハーブの一種・フェンネルや甘い香りのフェネグリークなどのスパイスと合わせてスッキリ仕上げた「フィッシュカレー」、山椒を粒のまま残した痺れる辛さの「麻婆豆腐キーマ」。1種類でも複数をあいがけにしてもよし。トッピングも自由に選べる。
おすすめは4種類のあいがけに、店のトッピングを全部乗せる『THE SPICE SPECIAL』。一匙ずつ食べ比べるとそれぞれのカレーの個性が際立つ。食べ進むうちに混ざり合い重層的になっていく味の変化もまた面白い。
イタリアンの手法も使い毎回手作りしている「カチュンバル」(副菜)が、カレーにさらに食感や風味のアクセントを加える。
店は大正時代の料理旅館をリノベーションした。日本家屋の趣ある建物と刺激的なスパイスカレーの組み合わせも珍しく、ほかでは味わえない空間を作り出している。
京都府京丹後市久美浜町3179
電話050-1176-2708
(営)11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~20:00(L.O.19:30) 土・日曜・祝日 11:00~20:00(L.O.19:30)
(休)木曜日
地元野菜たっぷり、元気が出る一皿
京都府与謝野町/青空レストラン アドリアーノ
与謝野町岩滝にあった人気店が昨年4月、「道の駅シルクのまち かや」内に移転オープンした。河邊輝王さんと知子さんが夫婦で切り盛り。道の駅に集まる地元の食材をふんだんに使った料理を提供している。
スパイスたっぷりのキーマカレーは、岩滝にお店があったころからの人気メニュー。形がなくなるまで煮込んだ野菜の甘み、国産豚ミンチの旨味、さらに10種類以上のスパイスが相互に引き立て合い、奥行のある味わいになっている。辛さは控えめで子どもも食べやすい。
カレーの上には、大きくカットされた朝どれ野菜がゴロゴロ。シンプルに調理し、素材そのものの味を大切にしている。
京都府与謝野町滝98 道の駅 シルクのまち かや内
電話080-5330-0737
(営)9:30~17:00、ランチは11:00~15:00(L.O.14:30)
(休)月~水曜日(祝日の場合は営業)
美容室にある 本格カレーの素
ヘアサロンのカウンターになぜか並ぶ「スパイスカレーの素」。オーナーの和田大樹さんが13種類以上のスパイスをブレンドしたもので、家で作るにはハードルが高いスパイスカレーも、これを使えば手軽に完成する。
和田さんは大のカレー好き。食べ歩くだけでは満ち足りず、何十種類ものスパイスを取り寄せて自ら作るまでに。食卓が毎日カレーになるほど研究を続け、ついに求めていたスパイスの黄金比率を見出だした。
作り方を書いた紙をつけてくれるので初心者も安心。鶏肉や玉ねぎ、トマト缶など身近なものを使い、炒めて煮るだけ。口に入れた瞬間に広がる爽快な香りと、後から追いかけてくるしびれる辛さが癖になる本格派カレーを楽しむことができる。
京都府福知山市東羽合町113
電話0773-48-9699
(営)9:00~18:00
※カレーの素のみの購入もOK
(休)月曜日
2024年6月14日更新