子どもも大人も大好き!「万願寺甘とう」 中丹地域が誇る京の伝統野菜
艶やかな濃緑色、肩のくびれ、すらっと伸びる大柄のフォルム。口に入れれば、肉厚でジューシーな旨みがいっぱいに 広がる。ピーマンが苦手なこどもも大好き、中丹地域が誇る京の伝統野菜「万願寺甘とう」が旬を迎えた。(2023年7月号)
「とうがらしの王様」と名高い最高品質
約100年前に舞鶴市万願寺地区で生まれたといわれる「万願寺とうがらし」は、大きくておいしいと全国的に知られている。
その中でも最高品質の証である『万願寺甘とう』を名乗れるのは、舞鶴市、綾部市、福知山市(一部)で栽培されたもののみ。徹底した品質管理のもと、産地一丸となって栽培方法の開発、改良を続けた結果、より大柄で種は少なめ、辛みが発生しない唯一無二の品種に進化。まさに「とうがらしの王様」の名にふさわしく、京のブランド野菜にも選ばれている。
続々出荷 販売は11月末まで
夏の最盛期は、1日15万本が出荷される。綾部市西坂町の生産者、赤堀圭司さん、幸さん夫妻のハウスでも、次々に大きくなる果実の収穫作業が進んでいる。「ストレスがあると大きくならなかったり、曲がったりするので、機嫌よく育ってもらえるよう水やりや温度管理に気が抜けません」と話す。
出荷は11月末まで続く。夏は旨みが乗って濃厚、秋はじっくり育つため甘味・コクが増した味わいになる。
万願寺の栽培を始めて10年の赤堀さん夫妻。「農業に100%の成功はありません。よりよいものを作るため、毎年試行錯誤しています」。地元の野菜を知って欲しいと児童向けの食育活動にも力を入れる
選りすぐり16本を桐箱に納めた 「プレミアム万願寺甘とう」 新発売
今年、新たに「プレミアム万願寺甘とう」の発売が始まった。
最上と名高い「万願寺甘とう」の中でも、さらに秀逸な果実16本を桐箱に納めている。
長さは20㎝以上、艶やかでまっすぐ伸びる凛とした佇まい。
3000本に1本出るか出ないかの確率で見られる、文句なしの逸品が並ぶ姿は迫力がある。贈答用にと買い求める人が多い。
ひと箱9800円で、1日3箱限定(販売は10月10日まで)。
予約は、万願寺甘とう公式ホームページ(http://amatou.kyoto/)、またはJA京都にのくに「彩菜館」(綾部市宮代町)で。
煮て、焼いて、揚げておいしい“万能食材”
シンプルに素焼きでも十分に美味しいが、いろんな調理法ができるのも「万願寺甘とう」の魅力。
JA京都にのくに考案のレシピを紹介します。
いつもとちがう味わいを食卓に。
揚げ浸し風万願寺甘とう
【材料(2人分)】
万願寺甘とう…3本
ナス…1本
プチトマト…4個
めんつゆ…大さじ3
油…大さじ1
1.万願寺甘とうとナスは乱切りにして、ナスは水に漬けアクを抜く。
2.耐熱容器に入れて油をまぶし600Wのレンジで4分加熱。
3.半分に切ったプチトマトとめんつゆを入れ混ぜる。
万願寺甘とうチヂミ
【材料(2人分)】
万願寺甘とう…2本
サクラエビ…大さじ2
ごま油…大さじ1
A ・片栗粉…大さじ4 ・卵…1個 ・鶏がらスープの素…小さじ1 ・オイスターソース…小さじ2/3
1.万願寺甘とうは輪切りにする。
2.Aに万願寺甘とうとサクラエビを入れよく混ぜる。
3.ごま油をひいたフライパンに②を入れ、チヂミの両面を焼く。
2023年7月14日更新