新しい天橋立の楽しみ方 龍にあやかり開運祈願
股のぞき☆一龍万倍
日本三景の一つで観光名所の天橋立。神仏の力が宿るパワースポットとしても人気のこの地で、新しい開運体験が注目されている。その名も「股のぞき☆一龍万倍」。『龍の願い玉』を手に『股のぞき』をして、その後寺社に奉納するというもの。運気倍増と聞いて早速体験してみた。道中の見どころもいっぱいで、天橋立を一日中楽しめる仕掛けになっている。 (2023年4月号)
「龍伝説」×「股のぞき」 ユニークな開運体験
幅約20~170m、全長約3.6kmの長細い地形の天橋立。その成り立ちには諸説あるが、「神代の昔、神の通い路が海に落ち、龍神が一夜にして土を盛ってつくり上げた」という説も。この地域には他にも龍にまつわる伝説が多く残っている。
また、股の間から逆さまの景色を眺める「股のぞき」も有名。天橋立傘松公園からの眺めは龍が天に昇るように見えるから「昇龍観」、天橋立ビューランドからの眺めは、如意宝珠(願いが叶う玉)を手にした龍が天から舞い降りるように見えるから「飛龍観」と呼ばれている。
「股のぞき☆一龍万倍」は、「龍伝説」と「股のぞき」をかけ合わせて生まれた。まずリフトやモノレールで天橋立ビューランドまたは傘松公園へ上り、『龍の願い玉』(1000円)を購入、願いを込めながら股のぞきをする。その後、ふもと降りて、願い玉を寺社に奉納する。
願い玉は紐の色別に6種類あり、奉納先は3寺社ある。智恵増長(青色)・商売繁昌(黄色)は智恩寺、良縁祈願(赤色)・心願成就(橙色)は元伊勢籠神社、美人祈願(桃色)・必勝祈願(白色)は成相寺へ奉納する。
よく晴れた春の日 いざ開運体験
その日は快晴。雲一つない空の下、まずは、モノレール(リフトもある)に乗って海抜130mの「天橋立ビューランド」へ向かう。降り立つと天橋立を一望の絶景が目の前に広がる。
売店で6種の『龍の願い玉』が販売されている。智恵増長、美人祈願、商売繁昌…地位か美貌かお金か…悩んだ挙句、願いの種類を問わず強く願えば叶うという「心願成就」を選んだ。名前と願い事を書いて玉の中に入れる。
さていよいよ股のぞき。願い玉は龍の爪のように3本の指で持ち、手はできるだけ高く上げるのがポイント。願いを込めて、逆さの景色を拝む。
願い玉をしっかり持って、リフトで降下する。足が浮いて、まるで空を飛んでいるよう。如意宝珠を手に地上に舞い降りる龍の気分が味わえる。
観光しながら、願い玉奉納へ
お昼ごはんは、天橋立の中にある「はしだて茶屋」で、名物のあさり丼をいただく。旨味が口いっぱいに広がり、すいっとお腹に入ってしまう。
次は、願い玉を奉納するため元伊勢籠神社を目指す。対岸の府中地区にあるので、観光船に乗ることにした(片道700円、子ども350円)。天橋立の松並木に沿ってゆっくり進む片道12分の船旅。風が気持ちよく、エサを目当てにカモメたちが愛嬌をふりまいてくれる。
元伊勢籠神社は観光船の降り口から徒歩ですぐ。周辺は土産処が建ち並び、参拝客らでにぎわっている。ご当地グルメ・黒ちくわがこんがり焼きあがっておいしそう。
籠神社の鳥居をくぐると一変、神聖な空気が漂う。それもそのはず、籠神社は神様が国を治めていたころからの歴史をもち、丹後で最も格の高い古社だ。不思議と心が静まり穏やかな気持ちで参拝をし、絵馬台に願い玉を奉納することができた。
運気が上がったかは、まだ実感はないが、天橋立を満喫した充実の一日となった。
龍の願い玉販売施設
天橋立ビューランド
天橋立を南側から一望。メリーゴーランドや観覧車などの遊具やカフェがあり、家族連れやカップルらでにぎわう。
京都府宮津市文珠437 ℡0772-22-1000
入場料850円(子ども450円)リフト・モノレール往復料金含む
天橋立傘松公園
天橋立を北側から望むビュースポット。股のぞき発祥の地として有名。絶景を見ながら食事も楽しめる。成相寺行きの登山バスが発着している。
天橋立の創造とともに生まれてきた妖精「かさぼう」がお出迎え
丹後ならではのお土産を販売
売店で龍の願い玉を販売している
わっかの中に円盤状の瓦を入れる「瓦投げ」。成功したら、願いが叶うかも!?
階段を登った先に「股のぞき発祥の地」がある
リフトからの眺め。傘松公園からの天橋立の景色は「昇龍観」とよばれる
宮津市大垣 ℡0772-27-0032
ケーブルカー・リフト料金 大人往復680円(片道340円)、子ども半額
龍の願い玉 奉納寺社
元伊勢籠神社
良縁祈願 心願成就の奉納先
天照大神、豊受大神がこの地から伊勢に遷されたという故事から元伊勢と呼ばれる。天のイザナギノミコトが、地にいるイザナミノミコトに会うためにかけた大きな梯子が倒れて「天橋立」になったという「愛の架け橋」神話。この梯子の根元が籠神社の場所だったとされ、良縁成就の神社としても知られる。
神聖な空気が漂う
籠神社の社殿は唯一神明造と称される伊勢神宮内宮の正殿に最も近いといわれている。また、高欄に青、黄、赤、白、黒の「五色の座玉」が拝されているのは伊勢神宮の正殿と籠神社しかない
祈祷などが行われる青龍殿には、運気がまわるといわれる昇竜と降龍が彫られた扁額がある
宮津市大垣430 ℡0772-27-0006 開門時間 7:30~17:00※12、1、2月は16:30閉門
智恩寺
智恵増長 商売繁昌 の奉納先
智恵をつかさどる文殊菩薩を御本尊とする。日本三文殊のひとつ。商売繁昌を祈願する十日えびすは大勢の人が訪れる。
宮津市文珠466 ℡0772-22-2553
成相寺
美人祈願 必勝祈願 の奉納先
願い事が成り合う寺=成相寺として有名。本尊の聖観世音菩薩は「美人観音」と親しまれる。
本堂
右からみても左から見ても自分の方を向いているように見えることから「真向きの龍」といわれる
「鉄湯船」。鎌倉時代に作られた重要文化財。湯船といっても直接入るのではなく、かかり湯をするために用いられたと伝えられる
宮津市成相寺339 ℡0772-27-0018 8:00~16:30 入山料500円、中高生200円
天橋立から車で10分 宮津の新スポット
京街道グルメ館がオープン
宮津市の海と大江山を結ぶ府道沿いに「京街道グルメ館」がオープンした。元は呉服店だった店舗を改装、当時の趣が残る建物で宮津の旬の幸を販売するほか、パン工房、カフェも併設している。
食の発信基地を目指し、宮津市で「天橋立ハム」を製造する丹後フーズ株式会社が運営する。
物販コーナーでは、地元農家の京野菜、丹後フーズのハムやウインナー、お米のジェラートなど選りすぐりの商品が並ぶ。冷凍の干物やお弁当類は、-30℃の急速冷凍技術で素材の風味を閉じ込めている。
隣はパン工房。60㎝の天橋立フランスパンは、見た目のインパクトとソフトな食感が評判を呼び、すでに売切れ必至の人気商品になっている。
カフェでは、神戸で修業を積んだシェフが旬の食材で日替わりランチを提供する(880円限定30食)。天橋立フランスパンが食べ放題なのもうれしい。
宮津市京街道216-4
℡0772-45-1552
物販コーナー9:00~17:00
パン工房8:00~17:00
カフェ11:00~17:00
水曜日定休
2023年4月7日更新