行楽の秋 お気に入りのカバンと出かけよう

紅葉狩り、グルメ巡り、スポーツ観戦。
お気に入りの鞄と一緒なら気分も一層弾みます。唯一無二のオリジナルが
作れる工房や、伝統的な技術と新しい感性が融合した北近畿ならではの逸品を紹介します。

世界に一つだけのバッグを手づくりできる

【豊岡市】 かばん工房 遊鞄(ゆうほう)01

 面積300㎡の工房内に、ミシン、革すき、刺繍、刻印、レーザー加工などの機械がずらり。2020年にオープンした「かばん工房 遊鞄01」では、デザインから、革の裁断、縫製、仕上げまで、すべての鞄作り工程を体験できる。

 革の種類は600種以上、金具なども豊富に揃える。持つ人の癖に合わせて、持ち手の長さやポケットの配置を変えたり、刺繍やネームタグをつけたり、ボタンに写真をプリントしたりと、かなり細部までこだわることができる。

 トートバッグは2時間程度(8300円~)。名刺入れやキーケースなど小物は30分~1時間半(1100円~)で完成。最近はアップルウォッチのベルトも始めた。

色やサイズも自由。ミシンを使わずに作れる鞄もある。観光がてら気軽に体験する人、何度も訪れるリピーターもいる(作品は 遊鞄のInstagramから)

 とことん追求したい人は1泊2日のデラックスプランも。じっくり打合せし、ボストンバッグやリュックなどを完成させる。

 代表の坂井一樹さんは「親子でランドセル作りもできます。手作りの楽しさと大変さ、そして完成したときの達成感を体験してください」と話す。

 体験は予約が確実(℡0796-52-5055)。営業時間は10:00~17:00、木曜定休。豊岡市出石町町分129-1。

インスタグラム

出石にある工房。鞄の手作り工房としては国内最大級の広さ

代表の坂井さん。自身も鞄職人

職人に教わりながら仕上げている

革にミシンをかける貴重な体験

金具に写真を印刷したり、オリジナルのロゴを刻印することもできる
小学生の息子さんが制作したランドセル。クライアントの要望を聞き、細部までこだわりがみられる

内側のポケットは取り外し可能!

小物類の制作なら30分くらいで完成。気軽に体験できる
出石の城下町から少し離れた静かな場所にある

職人の技術とアイデアがつまった多彩な鞄

【綾部市】 司工業

舞鶴赤レンガ倉庫 知恵蔵では海上自衛隊のマーク入りの商品を販売

 1970年創業、鞄の企画・製造をする「司工業」(綾部市)。海外に工場を抱え、大量生産を行っていた時代もあったが、現在は培ってきた技術と経験を活かし、小ロットで「ここでしかできないモノづくり」に力を入れる。

 デザイナーの新庄裕美さんがプロデュースする自社ブランド「ecrus®」は、見た目はもちろん、品質、実用性を兼ね備えたものばかり。職人が手づくりする革製品のほか、岡山や広島の上質な国産デニム生地を使った帆布のトートバッグ、軽量で丈夫なナイロン製リュック、おしゃれな介護用品など幅広く企画する。最近は、京丹後市の友禅作家・故植野真知子さんが描いた府内の風景をあしらったちりめんポーチの発売を始めた。

 立体的な縫製ができるポストミシンをかける、デザイナーの新庄さん。ほかにも、様々な役割の機械を使い、製品を作り上げている

 商品はあやべ特産館、バザールタウン綾部アスパ、綾部温泉(綾部市)、ショッピングセンターらぽーる(舞鶴市)などで販売している。

 司工業℡0773-42-1601。

天橋立や保津川下りなど京都の風景を描いたちりめんのポーチ
職人の手作業なので一度にたくさん作ることができず、常に同じ商品があるとは限らない。一期一会を楽しんで
あやべ特産館には、革製品や帆布のバッグ、マスクなどが並ぶ

スタイリッシュな大人のランドセル

【豊岡市】 株式会社 タカアキ

 小学生の必需品を大人向けにデザインしたスタイリッシュなランドセル、その名も「ランスタ」。子ども用より縦長で背中にスッキリ収まるので、カジュアルでもビジネスでも使える。フラップ(かぶせ)をめくる感覚が懐かしく、あの頃のわくわくするような気持ちが蘇る。
上品なのに個性的なシルエット。30代から年配まで、おしゃれ層に人気。74800円

 「鞄の街」豊岡市の鞄メーカー「タカアキ」が、生地の入荷から裁断、縫製まで自社の職人たちの手で作っている。同社は鞄と財布の製造を主としてきたが、コロナ禍を機にランドセルの製造を開始。鞄とは作業工程が全く異なるため一からの挑戦だったが、内ポケットや開閉に工夫を施すなどメーカーならではの技術力を生かした独自商品を開発している。大人向け「ランスタ」もその中で生まれた。

 このほどリュックの機能性とランドセルの耐久性を兼ね備えた新商品「リュッセル」を発売。新しいランドセルの形として注目を浴びている。

 商品の問い合せは同社℡0796-22-7723(豊岡市九日市下町100ー1)。購入は敷地内併設のランドセルショップまたはホームページから。カバンストリートにある豊岡鞄の店「アルチザン」、城崎温泉にある豊岡鞄の店「蔵」でも販売している。

取締役部長の宿南亮太さん(右)と宮岡真也さん。併設のショップでは多彩なランドセルを展示。「相談や打ち合わせもできます」

ブラッグ、ネイビー、キャメル、ブラウンの4色ある。表面の上質のシボが特徴の『樽仕込み®』はブラック、グリーン、ネイビーの3色。品質の証「豊岡鞄」の認定を受けている
小型ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなど小物を収納するポケットが充実。6年使うランドセルと同じ国産人工皮革を使用し耐久性も抜群。
同社のランドセルブランド「リコモン」。北近畿の方言「利口者(りこうもの)」から名付けられた
リュックのように軽く機能的でランドセルようのに丈夫な「リュッセル」

丹後ちりめんの遊び心溢れるトートバッグやポーチ

【豊岡市】 たてつなぎ

にしがきのふくろ マルシェバッグ(7700円)

 白地に丹後のスーパーマーケット「にしがき」のロゴ。一見、ビニール製のレジ袋かな? と思いきや実は、丹後ちりめんでできたトートバッグ。生活に馴染み深いスーパーと300年以上の歴史がある伝統産業の取り合わせがユニークで、大きな話題を呼んでいる。同じく地元で有名な乳業メーカー「平林乳業」の紙パックをデザインしたポーチもある。

ヒラヤミルクポーチ(4950円)。「こんな商品あったらいいな」というメンバーの一言から生まれた

 作っているのは、丹後で織物業に従事する若手3人グループ「たてつなぎ」の臼井勇人さん(臼井織物・与謝野町)、森山怜子さん(二条丸八・京丹後市)、田中栄輝さん(大善・京丹後市)。コロナ禍で低迷する産業を盛り上げようと結成した。それぞれの特技を生かし製織、デザイン、布地の印刷を分担。縫製などは地元の職人に委託し「メイドイン丹後」にこだわる。

 商品に使用する生地は、ちりめんの中でも凹凸が大きい「鬼シボ」。風合いが面白く、丈夫で色落ちしないので洗濯できる。

 子どもの描いた絵や写真をプリントしたオリジナルポーチも作る。贈り物として人気で、メンバーは「歴史ある織物を通じて、大切な誰かへ気持ちを伝えるお手伝いになれば」と話している。

 注文はたてつなぎのオンラインショップから。問い合わせは臼井織物℡0772-42-4105へ。

「たてつなぎ」の森山怜子さん、田中栄輝さん、臼井勇人さん(左から)
にしがきのふくろ
子どもの絵や写真を染める「ふらっとポーチ(5500円)」。ちりめんの凸凹が優しい印象
レトロなデザインがかわいいと府外の人からも人気

2022年11月18日更新

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