おうちにいながら食べ歩き　個性が光るご当地レトルトカレー

　京都府北部で唯一の国宝建造物・二王門に安置されている、那羅延堅固王像と密迹金剛力士像。この仁王様にあやかって、あやべ温泉二王館が開発した。　仁王様の厳めしい表情を表すような赤色のカレーで、酸味と辛味が効いたパンチのある味。とろとろに煮込んだ京都産和牛がたっぷり入っている。

　館内のレストランでは、厚切りのカツを乗せて提供している。手仕込みの出汁と合わせたカレーうどんもおすすめ。

　また、綾部の特産・上林地鶏を使った「二王門黄カレー」もある。こちらは甘口で子どもに人気。さらに第3弾として綾部茶を使った緑のカレーを開発中という。

　同館のほか、あやべ特産館、森の京都エリア内の道の駅などで販売している。

　　老舗ホルモン焼肉店「八島丹山」の三代目丹山雄策さんが、まかない料理を常連の船員に絶賛されたことをきっかけに考案。旧海軍のレシピを基にしながら、４年の歳月をかけて完成させた。

　国産ホルモンの旨みを存分に引き出した奥深いコクが特徴。舞鶴発祥・京の伝統野菜「万願寺甘とう」か「佐波賀だいこん」のどちらかが入っていて、食感によいアクセントを加えている。中辛。

　店で買えるほか、西舞鶴駅、引揚記念館などの施設で販売している。

　但東町の特産「シルク茄子」は、その名の通りシルクのように真っ白なナス。農家が一本ずつ袋をかけて大切に育てる美しいその実は、繊細なのに引き締まっていて、一般的なナスの２倍の糖度と水分量がある。このナスをPRしようと、シルク温泉やまびこが開発したのが「シルク茄子カレー」。ナスの食感や風味が生きていて、国産和牛のミンチとの相性よく仕上げた。シルク茄子は歯ごたえよく、存在感があり、同館の持田淳さんは「普通のナスのイメージを持って口に入れると、その意外性にちょっと驚くかもしれません」と話す。

　同館のほかに、豊岡市の「じばさんTAJIMA」、兵庫県立コウノトリの郷公園などで販売している。

　養父市八鹿町発祥の山椒「朝倉さんしょ」の風味が生きる、数あるご当地カレーの中でも一際個性的な一品。「朝倉さんしょ」は他の山椒と比べ粒が大きく、芳醇な香りを持つ。400年前から高級贈答品として珍重されていて、家康に献上したという記録も残っている。

　カレーには山椒が粒ごと入っていて、口の中で弾けるたびに、柑橘系のフルーティーな香りと爽やかな辛みが広がる。不思議と癖になる味で、子どもにも人気という。化学調味料不使用、中辛。

　養父市の道の駅ようか但馬蔵、豊岡市の直売所「ファーマーズマーケットたじまんま」などで販売。

【写真】カレーは店のメニューではなく、持ち帰り用に冷凍の真空パックにして販売している

　福知山市のフレンチレストラン「ビストロｑ」の塩見晋作シェフによる、極上の欧風のカレー。

　淡路産玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒め、牛スジをスープの中で長時間コトコト炊いて鍋の中で熟成させる。妥協を許さず、丁寧に仕込むため、完成に3、4日かかることもある。

　こうして出来上がるカレーは、甘みと酸味、旨みが幾重にも重なる奥深い味わい。鼻を抜ける芳醇な香り、ほどけるような牛スジの口どけにうっとりする。ご飯はもちろん、バゲットやワインと合わせるのもおすすめ。

【写真】　塩見シェフ。素材の味を最大限生かす調理法にこだわり、そのための手間暇は惜しまない

　「冷凍することで、本来の味をできるだけそのまま閉じ込めました」と塩見さん。湯煎で解凍するだけで、お店の味が家庭で再現できる。

　店内で販売。購入の際は、Faxもしくは同店ホームページ内の問い合わせフォームから連絡を。希望があれば発送もする。（送料別途必要）

　　200ｇ780円、100ｇ390円（ともに税込）。