海水浴を楽しく ビーチの事故防止
各ビーチで海開きが行われ、海水浴の季節がやってきた。家族とゆかいな仲間たちとザッブ~ン! ただ、楽しいはずのレジャーが、ちょっとした油断で一転してしまうのも、海。現地で覚えておきたいことを、海の安全を守っている海上保安庁舞鶴保安本部で聞いて来ました。
慌てず横へ 離岸流

まずは近年よく耳にする「離岸流」。海の中に、沖へと向かう川ができるようなもので、知らずに入り込むと、どんどん沖へ流されてしまう。
海岸に打ち寄せた波が沖へ戻ろうとしてできる流れで、速さは最大秒速2㍍。人の早歩きぐらいの速さだが、水の中ではとても速く感じられる。実際、流れに逆らって岸へ戻ろうとしても、よほどの水泳選手でないと難しい。

ただ、幅は10~30㍍ほど。もし泳いでいて「沖へ流されている」と感じた時は、無理に岸を目指して体力を消耗するより、岸と平行に少し移動してみるのが良いという。
離岸流は特別な浜にできるのではなく、どこのビーチでも出来る。しかも、ビーチのどこに発生するか分からないため、「慌てず横に」を覚えておこう。
日本海側は沖へ風が吹く

夏の日本海は、もう一つ沖へと流されやすい条件がある。風だ。
太平洋高気圧が張り出して南風が吹くと、太平洋側のビーチでは岸へ、岸へと風が吹くが、日本海側は沖へ、沖へと吹く。ボート型の浮き輪などにのって子どもが遊んでいると、風で沖へ流されてしまうことがある。
昨年も、浅瀬で女の子を浮き輪にのせて遊んでいた家族が、深みにはまって手が離れ、浮き輪が沖合に流されだして一時漂流したケースや、突風で漂流してしまったケースが、実際に府北部で続いた。
酔泳禁止
もう一つ覚えておきたいのが「酔泳禁止」。お酒を飲んでほろ酔い状態で海に入るのは危ない。判断力が落ち、運動能力も低下して、自分が思っているように動けない。また、注意力が散漫になり、視野も狭まるため、子どもから目を離してしまいやすい。
海での「事件・事故」は118番
万が一、海で何かあった時は、迷わず「118」番。陸の110番、119番と同じく、海にも緊急通報用電話番号がある。局番なしの「118」。携帯電話、公衆電話、家の電話からも利用できる。
(2019年7月13日号掲載)