迷ってでも行きたい 「こんなところに!?」素敵カフェ
若葉が輝き、吹く風が清々しい、ドライブに最適な季節になりました。今回はちょっと分かりづらい場所にある、だけどぜひ行ってみたいカフェを集めました。
慌てず急がずのんびりと。
わくわくしながら見つけてください。
【綾部市】 カフェ 月星 つきぼし

難易度 ★★★★★
日本昔話の世界に迷い込んだ気分で
綾部市から福井県方面に抜ける府道1号線「十倉」の交差点を南東へ入る。明確な目印はそこまで。その先は、細い橋、小さな案内看板、お寺など、いくつかのヒントを手がかりに進む。対向車が来たら…とハラハラしながら狭い坂を登り、ふと見上げた先に「カフェ月星」がある。
日本昔話に出てくるようなのどかな風景に惹かれた岡村美奈江さんが、築150年の古民家を改装してオープンした。入口の引き戸や格子の窓枠、優しく日差しが注ぐ縁側など、"おばあちゃんち"のような懐かしさと安心感が漂う。窓からは、四季折々に姿を変える農村の景色が一望。これからの時期は新緑の青葉が美しい。鳥が目の高さを飛んで行き、通る風は心地よく、夏でもクーラーはいらない。
「分かりづらい場所ですが、探検気分を楽しんでもらえれば」と岡村さん。『たどり着けません』という電話はしょっちゅうで、2、3回目の来店でも迷う人がいるという。それでも、せかせかした日常から離れて過ごす時間は何ものにも代えがたく、また行きたくなってしまう。
【写真】高台に建つ。夜空の美しさに感動し、店名を「月星」にした

ところどころに案内看板を設置している。全部で4カ所、いくつ見つけられるかな

お店にたどり着くには、この橋を渡ることがポイント

あまりの居心地の良さに、寝転んでしまう人もいる。

窓からは、農村の景色が一望。

「食べると元気になれるから」と、メニューは沖縄の「おばあ」から教わった沖縄料理が中心。ボリュームたっぷり「カメカメーランチは1500円。沖縄そばには島唐辛子と泡盛に漬け込んだ調味料「コーレーグース」をかけて。

店主イチオシのジーマーミ豆腐のパフェ(700円)。ジーマーミ豆腐に黒蜜を合わせるのは岡村さんのアイデア。付属のアイスを乗せて混ぜながら食べる。沖縄のハイビスカスの塩がかかっている

お店の雰囲気同様に、穏やかな人柄の店主・岡村さん。営業が週4日なのは、1品1品の仕込みに時間をかけているため
カフェ 月星(つきぼし)
綾部市武吉町45
TEL0773-21-6392
(営)11:00~16:00(ランチは14:00まで)予約が確実
(休)火・水・木曜日(GWは5月2日も営業、冬季休業)
Pあり
【福知山市】 ログカフェ フローレスタ フローレスタ

難易度 ★★★
森の中のログハウス
「ログカフェ フローレスタ」は大江山の中腹、標高500mの森の中にある。福知山から宮津へ抜ける府道9号線を西へ曲がり、「日本の鬼の交流博物館」を通り過ぎて、さらに奥へ奥へ。木漏れ日が降り注ぐ幻想的な景色にうっとりしながらも、さすがに不安になったころ、ようやくたどり着く。
川のせせらぎと鳥のさえずりだけが聞こえる静かな森に、溶け込むように佇むログハウスの扉を開けると、店主の伊田浩三さん、いつ子さん夫婦が温かく迎えてくれる。木の香りが漂う店内で、注文ごとに豆を挽くコーヒーや手作りケーキ、ピザなどを提供。時には夫妻の友人が奏でるギターの生演奏が始まることもあり、癒やしのひとときが過ぎていく。写真展やコンサートもよく開かれている。
ログハウスは、伊田さんが趣味として、20年かけて建てたもので、実はまだ未完成なのだとか。そのあたりの話を聞いてみるのも面白いかも。
【写真】今の時期は、窓から見える柔らかな新緑が美しい。5月初旬まで暖炉に火が灯る。夏は爽やかな風が吹き抜けクーラー要らず

山道の途中にある手作りの案内看板を目印に進む。大江山の鬼も教えてくれている!?

「え!ここから奥にィィ? ハイ!そのまさかです」

気まぐれに友人の演奏が始まる

ふわふわ生地の大きな手作りピザは4種類。鹿肉の自家製ジャーキーもある

お店までは木漏れ日が美しい山道をひたすら進む
ログカフェ フローレスタ
福知山市大江町仏性寺1156
TEL090-3720-0022
(営)土日祝 10:00~17:00、GWは休まず営業(12月末から3月初旬までの冬季休業)
Pあり
【舞鶴市】 Fon Din フォンディン

難易度 ★★★★
クオリティー高い食材そろう瀬崎でタイ料理
市街地から30分。海沿いの小さな集落にあり、カーナビの案内通りに走ると、民家の庭先を抜けて神社に着いてしまう。ネットの地図で見直し、海沿いの道をたどってみると、「車で入れる?」と心配になるほど道が細い。それらしき建物、看板は見えず、曲がり角を間違えたかと不安に思いながら坂道を登ると、その店はあった。
畑が作りたくて京都市内から移り住んできた渡邉直樹さん、恭子さん夫婦が、2013年にタイ料理の店として開店した。店の名前は、農に欠かせない雨と土をタイの言葉で表現した。二人が育てる野菜とハーブ。目の前で揚がる新鮮な魚介。「クオリティー高い食材がそろい、ここでしか出来ない店」になっている。
昼はパッタイやグリーンカレーなどからメインを1品選ぶランチ(1350円)のみ。予約制。カフェは予約不要で、舞鶴産イチゴのロールケーキや無農薬バナナのタルトなど、オーガニックな手作りスイーツ(350円~)を用意している。夜は4人以上で予約を受ける。
【写真】舞鶴の海沿いの集落にある店内は畳敷きなので小さな子ども連れでも安心。「ゆっくり食事と会話を楽しんで」と渡邉さん夫婦


お店は舞鶴の海沿いの集落にある
静かでゆったりとした時間が流れる瀬崎に溶け込む店。木のトンネルの向こうに青い海が見える

エビ入りの米粉麺のタイ焼きそば「パッタイ」をメインにしたランチ

舞鶴産イチゴのロールケーキ
FonDin(フォンディン)
舞鶴市瀬崎458
TEL0773-60-2063
(営)11:30~17:00
(休)月火水とイベント参加時
(GWは2、3、6日に営業)
Pあり
【朝来市】 CAFE & KITCHEN OAKYARD オークヤード

難易度 ★★★
山あいの料理が評判のカフェ
播但連絡道朝来ICから約7分の距離なのに、ずいぶん山の中に来たような気がする。使い込まれた北欧のアンティーク家具や薪ストーブが居心地のいい空間を作り出している。
この店を訪れる人のお目当てが、店の隣にある畑で栽培する野菜をふんだんに使い、ていねいに手作りする2種類のランチ。「おこわランチ」(税込1300円)は、店主・安積潤子さんが、義母が作るおこわに惚れ込んで考案した。五目おこわに、豆腐のふわふわ揚げ、季節の天ぷらや小鉢などのおかずがつく。「パスタランチ」(同1300円)は、クリームパスタ、前菜3種、フレッシュサラダ、自家製白パンと、どちらもボリューム満点。午後2時からのカフェタイムには、オリジナルのレモンピザ(同821円)や自慢のバニラシフォンケーキ(同486円)など、評判の手作りスイーツも味わえる。
【写真】山あいの風景に溶け込むように建つ

造園業を営むご主人の展示場を兼ねた庭にはテラス席がある

店主の安積潤子さん

旬の畑の野菜を使った「おこわランチ」

ワンプレートの前菜がついたパスタランチ

ベイクドチーズケーキと樽珈屋のコーヒー
CAFE & KITCHEN OAKYARD(オークヤード)
朝来市さのう998
TEL079-677-2333
(営)11:00~17:30(L.O.17:00)※ランチは11:30~14:30(売り切れ次第終了)
(休)木曜日
Pあり
【丹波市】 genten 難易度★★

難易度 ★★
古民家で時と料理を楽しむ
広い道から見えるが、案内はなく迷ってしまった。築約200年の茅葺きの古民家「蘆田家住宅」の内部を一部改装。ガラス窓の向こうに季節の移ろいを感じさせる庭が広がり、緩やかに時間が過ぎていく。
料理は地場産の野菜や卵をたっぷり使った創作料理。ランチタイムのメニューは、ふわふわ玉子のオムライス、週替わりのパスタ、ピザ、ココナツカレー(いずれも税別850円)などが人気。キャラメルシフォンケーキ、レアチーズケーキなど、手作りのスイーツ(同300円~)も多数用意している。ディナータイムは、9種類のパスタ、8種類のピザをはじめ、一品料理や多国籍な創作料理、自家製の丹波コシヒカリのタコライス、ライスコロッケなどが、お酒とともに楽しめる。
ギャラリースペースでは、地元作家の雑貨やアクセサリーなどを展示販売する。
【写真】木々に囲まれて建つ隠れ家中の隠れ家


建物は国登録有形文化財、
県景観形成重要建造物

オープンから人気のふわふわ玉子のオムライス

オーナーシェフの尾上剛士さん
genten(ゲンテン)
丹波市青垣町東芦田981
TEL0795-87-0169
(営)11:00~15:00(ランチは14:00まで)、18:00~22:00(L.O.21:00)
(休)月・火曜日(祝日は営業)
Pあり
2019年5月1日号掲載