新文化ホール整備の市場調査に民間18者から提案 公民連携手法に支持相次ぐ

2026年09月24日 のニュース

■6者は「1千席でも収支困難」■

 京都府福知山市が計画する新文化ホールの整備を巡り、民間事業者を対象に実施した「サウンディング型市場調査」の結果がまとまった。18者から意見を聞き、公民連携手法を有効とする声が多かった一方、6者から「1千席規模でも収支が成り立ちにくい」との指摘があった。

 新文化ホールは、老朽化する市厚生会館(中ノ)を現地で建て替える形で市が2023年に基本計画を策定し、600席以上を基準としていたものの、市民の意見を受けて24年に計画を再検討することとなった。その後、施設規模や建設地などを再検討委員会で協議し、26年1月に市に提出した再検討結果では、1千席規模を基準とし、建設候補地を「駅北ゾーン」と「御霊公園・厚生会館ゾーン」の2つに絞り込んだ。今回の市場調査では、この条件を前提に民間事業者から意見を聞いた。

 調査は5月から8月にかけてクローズ方式で実施した。

 建設業7者、建築設計業2者、公共施設運営2者など計18者が参加。市内事業者は4者、市外は14者だった。同時期に市が行った別のサウンディング型市場調査の参加者は3者で、市文化・スポーツ振興室の担当者は「想定外に多くて驚きました。建設系の業者だけでなく、多くの業種から興味を持っていただき、大変ありがたい」としている。

 事業手法(複数回答可)では、設計と工事を一括発注するDBが8者、指定管理者制度が8者、設計・建設・運営を一括発注するDBOが6者、先行して選定した運営事業者の意見を設計に反映する運営先行(EOI)が5者、民間資金やノウハウを活用するPFIが4者から挙がった。DBと指定管理者制度を組み合わせる提案も多かった。

 公民連携手法は有効な手段とする意見が多い一方、PFI手法を推奨する意見は少数で、その背景として、近年の金利上昇で民間の資金調達コストが増えていることや、特定目的会社の設立に時間と費用がかかることなどが挙げられた。

 ホールに複合化する機能(複数回答可)では、子育て支援・子どもの遊び場が12者で最も多く、飲食11者、図書館9者、教育施設5者、公園・芝生・広場4者、ホテル4者と続いた。大規模商業施設との複合化の提案はほとんどなかった。

 建設候補地は、「駅北ゾーン」と「御霊公園・厚生会館ゾーン」で意見が拮抗した。「駅北ゾーン」の市所有貸付土地、市民交流プラザ駐車場、「御霊公園・厚生会館ゾーン」の厚生会館隣接民地については、それぞれ利便性や敷地規模などの強みと、駐車場の減少、土地所有者との合意形成などの課題が指摘された。

 そのほか、どの整備手法が総合的に適しているかを調べる民間活力導入可能性調査をした上で、公民連携手法を導入すべきとの意見が4者から出た。地方都市では1千席を超えるホールは集客が見込みにくく、1千席規模でも事業収支が成り立ちにくいとの指摘も6者からあった。

 市は今後、今回の意見や提案を踏まえ、基本計画の見直しに向けて、建設候補地や事業スキーム、事業実施方式などを再検討していく。

 

写真(クリックで拡大)=建て替えについて検討が進む市厚生会館

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