長時間スマホ、子どもの目に影響は 増加する近視や内斜視を眼科医が解説
2025年10月19日 のニュース
子どものスマートフォン依存が問題になるなか、長時間の利用が視力に与える影響を眼科医が解説する講演会が16日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。綾部市立病院の眼科医長、堤亮太さんが講師を務め、近視といわゆる「スマホ内斜視」をキーワードに、分かりやすく説明した。
初めにスマホを中心とした子どものインターネット利用時間の調査結果を紹介。平日の一日あたりの平均利用時間は、小学生(10歳以上)3時間44分、中学生5時間2分、高校生6時間19分にのぼると伝えた。
このような状況のなか、子どもの近視人口は増加傾向にある。「デバイス機器を使用すれば近視になると、一概には言えないが、20センチ以内でスマホなど近くのものを見る行為、30分以上近くを見続ける作業は、近視を招く要因になる」と注意を促した。
また若い世代で増えていて、片目が内側に寄り、物が二重に見えてしまう「スマホ内斜視」についても触れた。近視の予防と同様に、近くの物を見る作業時間を減らしたり、距離を30センチ以上離して見ることなどを勧めた。
堤さんは「小学生は何も注意しなければ、スマホなどを見続けてしまいます。親子でスマホやデバイス機器の使用について、ルールを決めておくことも大事だと思います」と呼びかけた。
講演は、市学校保健会(古木勝也会長)と市教育委員会(廣田康男教育長)が主催する「市学校保健研究大会」の一環。学校教職員や各PTA会員、医療関係者ら約80人が訪れて耳を傾けた。インターネット中継も行い、多くの人たちが聴講した。
大会ではこのほか、長年にわたって市学校保健会の会長を務めた吉河正人さんを表彰。学校薬剤師会員で、ふくちやまゆう薬局の古澤正寛さんによる「ICT機器導入における教室の照度環境」と題した研究発表もあった。
写真(クリックで拡大)=学校と医療関係者らが堤さんの講演を熱心に聴いた