先輩から語る「なりたい自分」 夜久野学園の中学生がIT社長とデザイナーにキャリア学ぶ

2025年10月09日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町高内の小中一貫教育校・夜久野学園(古寺良行校長)は8日、中学生が社会で活躍する卒業生の話を聞く「先輩から学ぶ会~なりたい自分をめざして~」を開いた。7~9年生が積極的に質問し、IT企業社長、ファッションデザイナーとして活躍する卒業生2人から、仕事や生き方についての体験談を聴き、アドバイスを受けた。

 講師を務めたのは同町上夜久野地域出身の宮崎元さん(34)と居相大輝さん(34)。ともに在学中は野球部に所属し、福知山成美高校2年の春には選抜高校野球大会に出場した。

 宮崎さんは大学を経て大手情報システム会社に勤務後、26歳で独立。現在はIT技術を駆使してスマート農業などを手掛ける「レイルズゲート」(大阪市)の代表取締役を務める。

 居相さんは高校卒業後に東京消防庁へ入庁。東日本大震災を経験したことを機に古里・福知山へ戻り、今は兵庫県朝来市の夜久野高原を拠点にファッションデザイナーとして活動している。

 2人はこれまでの歩みや現在の仕事を紹介したあと、生徒との質疑応答へ移った。

 仕事をしていて大変だったことは-、将来の仕事を選ぶうえで大切なことは-との質問に、宮崎さんは「大変なことはあり過ぎて覚えていないくらいですが、『大変』という言葉は『大きく変わる』との文字通り、自分が成長できる機会と前向きに考えるようにしています」と回答。居相さんは「心からやりたいと思えることをやる。周りが正しいと言うから、とかではなく、自分の気持ちにうそをつかないことが大切」と語った。

 また、中学生のときにやっておいた方がいいことは-との質問には、2人そろって「自然豊かな夜久野町での暮らしは、都会では経験できない魅力がたくさんある。だからこそ今しかできない体験を大切にしてほしい」とアドバイスした。

 このほか、「嫌いだった授業は」「中学時代の思い出は」などの質問に加え、「総資産はいくらですか」といったユーモアのある質問も飛び出し、笑いが起こる場面もあった。

 最後に、中学生に伝えたいこととして、宮崎さんは「世の中にはたくさんの仕事があり、将来の夢がないという人でも、それはまだ見つかっていないだけ。普段から苦手なことにも挑戦し、自分の世界を広げる努力をしてほしい」とし、居相さんは「今、できないことがあっても悲観せず、自分がたった一つのかけがえのない存在だということを心にとどめて過ごしてもらえれば」と語りかけた。

 生徒は先輩の言葉に熱心にメモをとりながら、真剣な表情で耳を傾けていた。


写真(クリックで拡大)=生徒からの質問に答える卒業生の居相さん(左)と宮崎さん

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