丸シールが生むアートの世界 豊岡のモンゴル博物館で現代美術作家・大村雪乃展
2025年08月09日 のニュース
テレビ番組「プレバト!!」で丸シールアートの査定をして話題の現代美術作家、大村雪乃さんの作品展「シールアートの世界から」が、日本・モンゴル博物館(豊岡市但東町中山)で開かれている。夜景作品が代表的だが、鮮やかな花畑や夏山など、さまざまな作品が並んでいる。
大村さんは多摩美術大学在学中に、文房具の丸シールで夜景を表現するようになり、「素材の意外性とビジュアルの美しさ」から2012年東京ミッドタウンアワードでオーディエンス賞を受賞。卒業後は日本政府観光局からの依頼を受けパリで個展を開くなど、国内外で評価を受けてきた。
大小の丸シールを根気強く貼っていき、点描画のようにして制作していくのが大村さんのスタイル。さらに、カッティングシールを組み合わせて背景の表現に幅を持たせたりもしている。
展示作品中で最大のものは、横浜の夜景を描いた一枚。1818センチ×2273センチの大作で、離れた位置から眺めると夜景写真のようだが、近づいて見てみると、観覧車や港の明かりが1枚1枚のシールで表現されていることに来館者たちは驚く。
都市の夜景のほか、白と緑のシールで夏のさわやかな木漏れ日を表現した「六甲山-夏」、モクレンやコチョウランなどの花、街を疾走する車。コロナ禍で困難に向き合う愛する人への思い、自身の決意を青いバラの花に込めた「君に贈る」など、作者の思いが伝わってくる作品が並ぶ。全37点。写真撮影、SNS投稿可。
会期は9月7日まで。時間は午前9時30分~午後5時で水曜休館。一般500円、高校大学生300円、小中学生250円。常設展示では遊牧民の住居ゲルや民族衣装、馬頭琴、仏教美術などが展示されている。昭和30年(1955)代の但馬の民家を再現した伝承文化体験交流館もある。電話0796(56)1000。