最終回も熱戦で幕閉じる ドラム缶転がしタイムレース
2025年07月23日 のニュース
京都府福知山市雲原の雲原川で21日、今回で最後となる「ドラム缶転がしタイムレース」が開かれた。これまで、地元住民や全国各地の猛者たち、タレントらが参加し、数々のドラマを生んできた大会。最終回も変わらぬ熱戦を展開し、新記録も飛び出して大盛り上がりで幕を閉じた。
実行委員会(西原正範委員長)が主催。1934年の室戸台風をきっかけに、18年がかりで建設された雲原砂防が、2006年に国の登録記念物に指定されたことを受け、その翌年から砂防のPR、地域活性化を目的に開催してきた。
参加者同士の交流、自然の魅力を体感するイベントとして定着。川の流れに逆らい、ドラム缶を上流に向かって転がす唯一無二の競技で、常連参加者が現れ、テレビ番組で取り上げられることもあった。過去には元格闘家の武蔵さん、ボクシング元世界王者の竹原慎二さんらも出場している。
一方で、駐車場不足やスタッフの高齢化といった課題が続き、今年で区切りをつけることに。最後の開催を知った過去の参加チームも久々に参戦するなど、かつて大会の魅力に引かれた人たちが、市内外から集結した。
エントリー数は、一般の部が28組、女子の部は8組、ちびっ子の部は17組、親子の部には27組。それぞれ優勝をめざして競い合った。
メインの一般、女子の部のコースは全長約150メートル。各チーム4人が2人1組のリレー形式で、ゴールをめざしてドラム缶を転がした。大きな岩にぶつけて、タイムロスするチーム、腕力で押し切ってゴールするチームなどさまざま。水しぶきをあげ、ずぶぬれになりながらも、競技を満喫していた。
一般の部で優勝したのは、舞鶴市の「おにぎりたべたい」チーム。2013年に「ナニコレ珍百景」チームが樹立した大会記録を0・10秒上回り、1分48秒21を出したほか、女子の部も同市の「らーめんぎょうざたべたい」チームが、新記録を樹立。有終の美を飾った。
また会場では、魚つかみ大会やダンス、太鼓といったアトラクション、カレーとチョコバナナ、かき氷、広島お好み焼きなどの屋台も並び、応援に訪れた人たちも、お祭り気分で楽しんでいた。
過去に3、4回ほど出場したことがある木下博史さん(55)=向日市=は「これまではレース途中の段階で、ばててしまっていましたが、今回は準備して挑んだので、全力を出し切ることができました。これで終わってしまうのは、とても残念ですね」と話していた。
西原委員長(66)は「最後の大会になりましたが、大盛り上がりで締めくくることができて良かったです。ボランティアのみなさん、協力してくれた各団体には、とても感謝しています。来年以降、別のイベントをやるかなどは未定で、これからじっくり考えたい」と語った。
写真(クリックで拡大)=水しぶきをあげながらゴールをめざした