一般会計最大規模471億円 市の2025年度当初予算案
2025年02月22日 のニュース
京都府福知山市は2025年度の当初予算案を発表した。一般会計は471億9千万円と過去最大規模で、前年度当初比2・2%増となった。固定的な扶助費、人件費、物件費の増加が主な要因だが、産業、観光、福祉、教育、農業など各分野で新規、拡充事業を盛り込んだ。特別、企業会計を合わせた総額は1・4%減の972億7300万円(以下原則100万円未満切り捨て)で、史上3番目の規模とした。予算案は25日開会予定の市議会3月定例会に提案する。
歳出は経常的経費が膨らむ
歳出では、児童、高齢者、障害者らへの支援に必要な費用の扶助費、給与改定や地域手当の増額などの影響を受けた人件費、小中学校のタブレット端末整備や光熱費の高騰をまかなう物件費がそれぞれ増加した結果、経常的経費が同5・4%増の371億8千万円に膨らんだ。
これらの必要経費を確保しつつ、昨年6月の市長選での公約実現に向けた「次世代につなぐ幸せを生きるまち実現予算」とする。
新規事業には、市が策定した「観光アクションプラン」の推進に2500万円▽企業へのデジタル技術導入を支援するための事例や設備紹介などをする「北京都デジタルパーク2025」開催に1100万円▽遊休農地の発生防止に補助金を設ける地域計画管理運営事業に180万円▽がん患者の生活支援に190万円などを計上した。
拡充事業では、ふるさと納税寄付額の拡大をめざす事業に6億1700万円(うち3億円は基金へ繰り入れ)▽高齢者、障害者、児童の3福祉分野で一体的に取り組みを進める「オレンジのまちづくり」に計5700万円▽市立小学校の4年生以上と市立中学校の全生徒の大阪・関西万博体験費2500万円▽市の公式LINEの機能拡張を含む分かりやすい広報の推進に1300万円などがある。
このほか、市弓道場の改修、荒河での全天候対応型陸上競技場の基本構想・設計などスポーツ施設整備関連で計5700万円▽つつじが丘・向野団地の建て替えに15億5千万円▽川口と成和の両地域公民館の改修に4億9千万円などを継続実施するものの、桃映地域公民館の整備事業終了などで、投資的経費は前年度当初比14・8%減の62億1千万円とする。
歳入は法人市民税、固定資産税など増
歳入は市税が前年度当初比5%増の121億9600万円を見込む。定額減税終了による影響が大きいが、法人市民税、固定資産税などの税収が伸びる。財政調整基金からは光熱費などの増加に対応するため3億円を繰り入れる。
市の借金にあたる市債残高は同0・4%増の45億5千万円となる。全体の基金は25年度末で前年度末比8・1%減の80億8千万円になる見込み。
特別、企業両会計は減少
9特別会計は国民健康保険、介護保険の2事業が減少、後期高齢者医療事業が増え、全体では前年度当初比3・5%減の176億4千万円。3企業会計は、水道、下水道両事業が、24年度に前倒し補正をする影響で減少、病院会計事業は災害拠点病院としての要件を満たすための新棟建設費などを盛り込み増加したが、全体では5・2%減の324億4千万円とする。
全会計の実質的な市債の25年度末残高は横ばいの380億6500万円で、市民一人当たり約51万円となる。