郷土史家らの研究成果を本に 福知山史談会が図書館に寄贈

2024年05月24日 のニュース

 京都府福知山市内の歴史愛好家らでつくる福知山史談会(河波司会長)が、長年にわたり発行してきた会報「史談福智山」をまとめた再製本を作り、福知山市立図書館に寄贈した。これまでにも約半数の号をまとめた再製本はあったが、抜け落ちていたものを全てそろえて、創刊号から800号までの66年分を閲覧できるようにした。

 史談福智山は1952年に創刊し、歴史や文化、地域の行事など、福知山に関するあらゆる分野の研究成果を歴代の会員たちが紹介している。福知山城を築いた明智光秀、江戸時代の藩主・朽木家など歴史に名を残す人物に限らず、城下町や農村の人びとの記録なども丹念に調べ掲載してきた。最近では年4回の発行を続けていて、現在830号まで発行されている。

 これまで1号~300号、502号~600号をまとめた本は図書館に置かれていたが、そのほかは未整理で、史談会事務局も全てを管理できていない状況だった。

 そんな中、昨年の秋ごろに「元役員の自宅などに過去の資料が多く残っている」と耳にした会員たち。「今が会報を後世に残すために動ける最後のチャンス」と、河波会長(84)、事務局長の寺本吉勝さん(76)、会計の芦田八郎さん(74)が中心となって会報の収集に乗り出した。

 資料は歴代会長宅のほか、すでに亡くなっている会員の家などを訪れて集めた。中には簡単には見つからない号もあったが根気強く探し続け、3カ月ほどかけて欠号無く全ての会報を収集した。

 その後、ほかの会員たちの協力も得ながら資料の仕分けや製本作業を進め、301号~501号、601号~800号をまとめた計8冊の再製本が5月上旬に完成。寄贈式を図書館中央館でこのほど行い、再製本のほか、1号~830号の目録をまとめた「目録集」、1号~300号までを記録したCDを山路智子館長に手渡した。

 河波会長は「先人たちが記してきた地域の歴史を書物という形で後世に残すことができ大変うれしく思います。福知山について理解を深めるのに役立つと思うので、多くの人に読んでもらえれば」と話していた。

 資料は中央館2階の郷土資料コーナーに並べられ、貸し出しはせず、館内でのみ閲覧できる。801号以降も冊子にまとめて、図書館へ寄贈を続ける。

 

写真(クリックで拡大)=図書館を訪れ資料を寄贈した、芦田さん、河波会長(左から)、寺本さん(右)

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