府暫定文化財に元伊勢両社の本殿など
2024年03月05日 のニュース
京都府教育委員会は2023年度の府暫定登録文化財に39件を選んだ。福知山市内では、元伊勢内宮皇大神社(大江町内宮)、元伊勢外宮豊受大神社(同町天田内)の本殿など11件が選ばれた。
暫定登録文化財は、将来的に国、府の指定・登録文化財になる可能性があるものを早期に保護するため、府が2017年に創設した独自の制度。登録を受けると、文化財の保存、修理、維持管理などに対して補助が出る。
今年度登録されたのは建造物10件▽絵画10件▽彫刻13件▽書跡・典籍1件▽古文書3件▽考古資料2件。今回の追加で府暫定登録文化財は1407件となった。
皇大神社は福知山と宮津を結ぶ宮津街道の中ほどにあり、現在の本殿は2010年に、138年ぶりに建て替えられた。建築様式は伊勢神宮と同様の「神明造」で、背面に扉を設けている。
豊受大神社の今の本殿は1874年に建った。こちらも神明造で、側面に扉があるのが特徴。2018年に強い風雨に襲われ、本殿北側の屋根のかやの一部が落下したが、多くの人たちからの寄付金で、新しいかやにふき替えられた。
このほか皇大神社では、建造物で脇宮栲機千千姫神社本殿など3件、彫刻で木造獅子狛犬1件(1対)が選ばれ、豊受大神社では、建造物で本殿のほか、神楽殿など5件の登録が決まった。
また府所有ではあるが、美術工芸品の考古資料として、福知山市前田の宝蔵山4号墳から出土した組合式土器棺が登録された。
元伊勢内宮皇大神社の後藤一郎宮司は「これまで信仰の対象となっていた本殿などが文化財と認められたので、次世代に引き継いでいけるよう守っていきたい」と話している。
市内で登録が決まったのは次の通り。
【建造物】皇大神社本殿▽同脇宮天手力雄神社本殿▽同脇宮栲機千千姫神社本殿▽同神楽殿▽豊受大神社本殿▽同別宮多賀神社本殿▽同別宮土之神社本殿▽同別宮月読宮本殿▽同別宮風之神社本殿▽同神楽殿
【彫刻】木造獅子狛犬(皇大神社)
写真(クリックで拡大)
・内宮(皇大神社)本殿
・外宮(豊受大神社)本殿