「救急車、我慢せず呼んで」 福知山市消防本部
2024年01月15日 のニュース
京都府福知山市消防本部は、2023年の救急出動件数をまとめた。前年比438件増の4012件で過去最多となり、これまでで最も多かった14年の3825件を上回った。夏場に、新型コロナウイルスの流行と、異常な暑さによる熱中症が重なって救急搬送が急増したことで押し上げた。
傷病者の程度の割合は、入院が必要とされる中等症以上が60%で軽症が40%。救急車をタクシー代わりに使うような不適切な利用はないが、逆に、本来なら救急車を呼ぶことが適切と思われる状況下でも「呼ばずに我慢をし続ける傾向が見受けられる」(福知山消防署警防課救急係)という。
救急車を呼ぶか迷った時は、救急の24時間電話相談窓口「♯7119」の利用を呼びかけている。同係は「救急車を呼ばずに様子を見ていたら、その後に呼吸停止してしまった事案もありました。必要な時には119番をためらわないでほしい。迷ったら♯7119を活用してほしい」と話す。
■野焼き多く、連続放火も■
火災出火件数は前年比15件増の52件で、近年にない50件の大台に達した。野焼きが多く、連続放火も影響した。負傷者は5人減の2人、前年1人だった死者はいなかった。
火災の内訳は、建物23件、林野と車両各2件、その他(空き地、田畑など)25件で、建物が前年比1・35倍、その他は1・8倍で大きく増えた。
原因は、「たき火・枯れ草焼き」が14件で最多。次いで「放火・放火の疑い」が倍増して12件だった。
消防署予防課は「野焼きは原則禁止です。法律で認められたものであっても、空気が乾燥し、風の強い季節の火の取り扱いには十分に注意してほしい。家の周りに燃えやすいものを置かないなど、火災を発生させない環境づくりもお願いしたい」と呼びかける。
また、全国的な事例として、経年劣化や非純正品による充電などでスマホのリチウムイオン電池を火元とする火災が増えているとして、注意を促す。
写真(クリックで拡大)上から
・猛暑で出動が増える中、感染防止の重装備で汗だくになって活動する救急隊員
・放火により全焼した愛宕神社