暑さに負けずサケ帰る 由良川に70センチのメスも
2023年11月06日 のニュース
11月の異例の暑さを乗り越えて、古里の由良川に今年もサケが帰ってきた。京都府福知山市波江の由良川支流の牧川に設置された捕獲網に、5日朝までに体長70センチのメス1匹、やや小ぶりのオス2匹の今季第1号~3号が入った。
地域と協力してサケの人工ふ化、放流に取り組む由良川サケ環境保全実行委員会(佐々木幹夫会長)の活動の一環で、実行委の委託を受けた「さけのふるさと由良川を守る会採捕者の会」(桐村啓之会長)と「牧川養殖漁業生産組合」(衣川務組合長)が10月24日に捕獲網を設置していた。
今年の11月は季節外れの暑さが続き、5日の最高気温は、3日に記録を塗り替えたばかりの観測史上1位の27・5度に並んだ。午後3時すぎの牧川の水温も20度と温かく、サケにとっては厳しい環境。それでも、大型のメスは特に元気で、尾を持とうとすると水しぶきを上げながら体をくねらせて跳ねた。
桐村会長と衣川組合長は「サケもこの連日の暑さには参っているだろうけど、由良川のことを覚えていて、帰って来てくれた」と目を細める。
佐々木会長は「いつもなら最初はオスだけということが多いので、オスとメスがそろって帰ってきてくれて幸先が良い。166匹の回帰で豊漁だった3年前を上回ってほしい」と期待を込める。
捕獲は30日まで続け、捕獲したサケから採卵して人工授精させ、希望する市民宅や学校などで孵化させ、来春に由良川へ放流する。
写真(クリックで拡大)=捕獲された体長70センチのメス