台風7号:住民たちで土砂撤去、疲れ限界

2023年08月21日 のニュース

 近畿地方に大きな被害をもたらした台風7号の爪痕が残る京都府福知山市大江町尾藤口地区。住民たちが山から住宅地周辺に押し寄せた土砂や樹木の撤去を進めている。被災翌日から自治会一丸となって復旧作業を続けてきたが、住民たちの力だけでは限界があるとして、行政へ早急な支援を求めている。

 台風7号の影響で、大江町内では14日深夜から15日未明にかけて、猛烈な雨に見舞われ、尾藤口地区でも、谷筋で土砂崩れなどが起き、2カ所で土石流が発生。家屋やその周辺に泥や大木が押し寄せた。

 尾藤口自治会では、重機やトラックを業者から借りるなどして、免許を持っている住民らが積もった土砂の撤去にあたっている。スコップで泥をかき出す人もいて、取り除いた土砂は別の場所に運んでいる。19日までに2トントラック車で70台分の土砂が集められた。

 被災後、初めての日曜日となった20日も猛暑のなか、住民約20人が出て、土石流が発生した2カ所を中心に作業に励んだ。朝から日差しが照り付ける中、汗だくになりながら撤去を進めた。

 住民たちの疲れがピークに達していることから、多人数が出ての作業は20日までとし、21日からは自治会役員が進めていく。

 藤田正己自治会長(70)は「これまでこんなひどい土石流は起きたことがありませんでした。みんなで頑張って作業を進めてきましたが、私たちで全部の土砂を取り除くのは無理です」と話す。

 「再び台風による災害が起きると、更にひどい状態になるので、府や市で早く、土砂の撤去を進めてもらい、砂防堰堤などの建設を考えてほしい」と願っている。

 

写真(クリックで拡大)=土砂の撤去作業を進める尾藤口地区の住民たち

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