アユ漁解禁前に稚魚放流 ドローンでカワウ追い払いつつ
2023年04月27日 のニュース
由良川漁業協同組合(日和隆組合長)は26日から、稚アユの放流を始めた。初日は雨が降る中での作業となったが、京都府福知山市猪崎の音無瀬橋下流など、市内3カ所で300キロを放した。放流時には市と市内の業者が協力してドローンを飛ばし、アユを狙うカワウの追い払いに初めて取り組んだ。
音無瀬橋近くの明智藪(蛇ケ端御藪)は、関西有数のカワウの営巣地となっていて、多いときで500羽ほどが生息。例年、放流直後の警戒心の薄い稚アユが狙われ、大量に捕食される被害が発生している。
食害からアユを守るため、今回初めてドローンを活用。市内のアエロジャパンと府猟友会が共同開発し、高出力のスピーカーと花火の発射装置を備えたハンティングドローンを放流場所付近で飛ばした。
■本支流に36万匹放流■
稚魚の放流は、アユ漁を楽しんでもらおうと、毎年実施している。今年のアユは岡山、滋賀、和歌山の3県産。アユ釣り解禁の6月1日までに、福知山、綾部、舞鶴、京丹波4市町の由良川本流、支流に計2700キロ、約36万匹を放流する。
初日に放流したのは岡山県産で、体長は15センチほど。最初に訪れた音無瀬橋下流左岸では、漁協福知山支部の8人が、バケツやホースを使って由良川に放した。
前日からの雨で、川は増水して茶色く濁っていたが、組合員らは、元気に跳びはねながら入っていく姿を優しい目で見送った。解禁日までには、20センチほどに育つという。
日和組合長(74)は「天然遡上についても、3月上旬に舞鶴市の由良川で確認されています。4月に入って市内の牧川、宮川などの支流にも遡上していて、解禁日が楽しみな状況です。10月末には大江町で、産卵期の親アユ500キロを放流予定で、たくさんの人に釣りを楽しんでほしい」と話している。
アユ釣りは6月1日午前6時に解禁され、網漁は7月1日から。いずれも9月30日までで、11月からは産卵期の「落ちアユ」漁が始まる。遊漁証は市内の釣具店で購入でき、年券が1万円、日券は3千円。日券の販売は7月5日から。
写真(クリックで拡大)=ドローンでカワウを追い払いながら稚アユを放流した