男性の育休、後ろめたさ解消に上司がリードを 市セミナー
2023年02月12日 のニュース

男性の育休をテーマとした女性活躍推進セミナーがこのほど、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。講師が、昨年10月から本格的に施行された改正育児・介護休業法の解説をしながら、男性育休に対応できる会社を目指すためのポイントを伝えた。
市主催。企業の管理職、人事担当者向けの研修で、市内の30人が参加。特定社会保険労務士の杉森隆志さん(46)が、「法改正対応! これからの男性育休への取り組み方」をテーマに話した。
妊産婦の死因の1位が自殺であることに触れ、「産後うつは産後2週間がピーク。2時間おきの授乳で睡眠不足が続き、精神的にも身体的にも負担が大きい。そこで、産後パパ育休(出生時育児休業)ができた」と夫のサポートの必要性を説いた。
昨年10月に施行された産後パパ育休については、育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に計4週間までなら、2回に分割して休業できると解説。休業中でも労使協定を締結した場合は、少しだけ働くことができることが特徴的だと伝えた。
厚生労働省が管理職向けに作った資料を紹介し、「部下から妊娠、出産の報告を受けたら、まずは『おめでとう』と笑顔で伝えましょう、と初歩的なことから書かれているが、これが意外とできていない」と伝えた。
課題となる欠員については、業務の棚卸しやマニュアル作成などで、特定の人しか業務実態を把握していない属人化を解消し、現場で話し合って業務分担をするなど、「上司からリードして協力してほしい」と訴え、「こういった対応が働き方改革につながり、育休を取りたい従業員の後ろめたい気持ちを解消する」と話した。
セミナーの終盤には、実際に育児休業を取得した経験者が、体験談を話す時間もあった。
写真=男性の育休について解説する杉森さん