多文化共生「混ぜこぜな世界」めざす 福知山の変8人目発表
2024年07月03日 のニュース
京都府福知山市厚中問屋町の英会話教室、グッドライフイングリッシュスクール主宰で、外国人移住者の支援活動などに取り組むジョセフィン・タニグチさん(通称・カレンさん)が、市のPR企画「福知山の変」の8人目に選ばれた。フィリピン出身で、文化や言葉の壁にぶつかってきた経験を生かし、「全ての人が混ぜこぜになって尊重し合える世界」をめざして活動を続けている。
福知山の変は、福知山の礎を築いた戦国武将・明智光秀にちなみ、まちを変える挑戦をする人を、オリジナルのポスターを制作して紹介している。
ジョセフィンさんは、結婚を機に日本へ移住。1999年から福知山で暮らしている。日本人家族との生活、会社員や喫茶店経営、スクールサポーターなどを経験する中で、言葉や文化の違いによるコミュニケーションの難しさを感じてきた。「辞書で言葉の意味を調べたり、同僚に教えてもらったりしながら、少しずつ乗り越えてきました」と言う。
その経験をもとに、多文化交流イベントの主催、ビザの手続きサポート、言葉の壁に悩む外国人家族や不登校の子どものケアなどに幅広く取り組む。
ポスターでは母国のかき氷スイーツ「ハロハロ」をデザインに使用。「ハロハロ」は母国語の一つタガログ語で「混ぜこぜ」の意味があり、農業体験施設ムトベース=下地=のイチゴ、植田農園=十二=の小豆などを使って、ジョセフィンさんらフィリピン出身者たちで調理した。福知山での多文化共生を象徴する逸品となっている。
2日にムトベースでポスターのお披露目、食材提供者らが集まる交流会があり、ジョセフィンさんは「あまり見かける機会がないフィリピンのスナック(菓子)をPRできること、たくさんの人に協力をいただけたことが、すごくうれしいです。これからも外国の人が増えていくと思います。みんなが仲良しの印として、こうした活動を続けていきたい」と笑顔を見せた。
ポスターはジョセフィンさんによる英訳とルビ付きの2種類を用意し、市内各所で掲示していく。
■市がハロハロプロジェクト推進■
市はポスターに合わせ、NPO法人京都丹波・丹後ネットワーク(理事長・牧紀男京都大学防災研究所教授)と協力して、多文化共生プロジェクト「Hello! ハロハロプロジェクト」を進めることを発表した。“混ぜこぜで尊重し合える世界”をめざし、外国人も含めた多くの市民が一緒に参加できるセミナー、交流会などに取り組む。
第1弾は「外国人も活躍できるまちづくりセミナー」。23日午後6時から8時まで、市役所隣のハピネスふくちやまで開く。1部は福知山公立大学の張明軍准教授が講演し、2部ではジョセフィンさんら外国出身の3人が「私たち困っています」をテーマにパネルディスカッションをする。事前申し込みが必要で、無料。
問い合わせ、申し込みは市まちづくり推進課、電話0773(24)9174へ。
市ホームページからも申し込める。
市内では24年3月末現在で1270人の外国人が暮らしており、直近4年間で229人増加している。
写真(クリックで拡大)=多文化共生企画の始動をPRするジョセフィンさん(中央)ら