大病と向き合いながら描く―渾身の油絵25点を展示
2022年11月18日 のニュース
大病と向き合いながら絵筆を握る京都府福知山市大江町内宮の河合美智子さん(90)の作品展が18日から、同町河守中央の町総合会館で開かれている。渾身の力を振り絞り描いた油絵25点が並ぶ。20日まで。鑑賞無料。
河合さんは59歳の時に肺梗塞になり、手術を受け、1年半入院生活を送った。病気の影響で左の肺が3分の1、右の肺は半分しか機能しなくなった。
激しい運動はできなくなったが、65歳の時に自宅近くでスケッチをしていた美術集団、新槐樹社関西支部のメンバーたちの姿を見て、体を激しく動かす必要がない絵画だったら自分でも取り組めるのではと思い、町内に住む新槐樹社事務局長の大槻博路さん(73)主宰の絵画教室に通うようになった。
80歳の時に初の個展を開催。今回はその後に描いた作品を出展した。心の赴くままに描いた心象画が中心で、100号13点、20号8点、小品4点が並ぶ。
今年4月には畑で農作業中に、2メートルの高さの場所から落ち、あばら骨6本を折り、3カ月間入院した。入院中も絵を描きたいと思い続け、退院後は8月から教室に通い再びキャンバスに向かい始めた。
退院後無心で描いた20号の作品「あすへ…!!」も展示。他の作品も河合さんの絵に対する熱い思いが込められている。
河合さんは「今は健康のありがたさを感じながら、絵を描いています。ぜひ見に来ていただき、絵から何かを感じ取ってもらえればありがたい」と話している。
開催時間は午前10時から午後6時(20日は同4時)まで。
写真=大作の前に立つ河合さん