西日本洋菓子コンで最優秀賞 マウンテンの田辺さん

2022年07月12日 のニュース

 京都府福知山市猪崎、三段池公園内にある洋菓子・マウンテン(水野直己シェフ)に勤めるパティシエ、田邊宏幸さん(32)が、6月下旬に大阪市の大阪ガス・ハグミュージアムで開かれた「第63回西日本洋菓子コンテスト」のチョコレート工芸菓子部門で、念願の最優秀賞を獲得した。芸術的完成度などが高く評価され、2位に大差を付けた。

 田邊さんは広島県庄原市の出身。中学生時代、パティシエの活躍を描いたテレビドラマで映るケーキが輝いて見え、自分で作りたいと思った。洋菓子の道を歩むことを決め、高卒後、大阪市と東京都の3店舗の洋菓子店などで計11年半の間働いた。さらに腕を磨きたいと、ワールドチョコレートマスターズ世界大会で総合優勝の経歴を持つ水野シェフの元へ、2020年秋に来た。

 西日本コンテストは、近畿・中国地方の府県の洋菓子協会が共催し、1958年に始まった伝統ある大会。10部門あり、一部を除いて事前に仕上げた作品を会場に持ち込み、審査を受ける。

 チョコレート工芸菓子部門は、純チョコレートのみを使い、幅、奥行き各50センチ、高さ1・5メートル内のサイズで、積み上げた洋菓子のピエスモンテを完成させ、アクリルケースに入れて出品する。これとは別に一口サイズのチョコのボンボンショコラも用意する。

 田邊さんはタイトルを「乾杯」と決め、オレンジの木に宿る妖精をイメージして制作した。花びらが60枚と120枚ある菊のような花4輪も作り、飾り付けた。

 「芸術性を高めるだけでなく、同じチョコでもパーツの一点一点の表面に、光沢やざらつきをもたせるなど工夫しました。チョコの質感を失わないよう、色づけは最小限にした」という。

 日本洋菓子協会連合会などのパティシエ5人が芸術性、技量、独創性、味などを基準に審査。出場した4人のうち田邊さんの作品は100点満点中96・3点を得た。

 コンクールに向けて作業を始めたのは約8カ月前。試行錯誤し、閉店後に日付が変わるころまで制作する日が多く、出品したのは3作品目だった。

 水野シェフは「昨年は同じ大会の別部門で3位だったので、今回はなんとしても優勝させてやりたかった。今月中は最優秀賞の作品を店内に飾っています。よろしければ見に来てください」と話している。

 田邊さんは「シェフや先輩らにアドバイスをいただき、同僚にも支えられて最優秀になれた。練習に集中できる環境を与えてもらい、とても感謝しています。期待に応えることができて、今はほっとしていますが、この経験を生かしてさらに上位の大会での優勝をめざしたい」と意欲をみせる。

 
 
写真上=最優秀賞のカップを手に喜ぶ田邊さん
写真下=オレンジの木に宿る妖精を表現した作品

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