戦後の混乱期に途絶えた市神社総代会が70年経て再発足
2022年05月16日 のニュース
京都府福知山市で、戦後の混乱期から70年以上にわたり名義だけ存在していた「福知山市神社総代会」が実のある組織として再発足した。一部を除く旧市域と三和地域の114神社氏子会で構成し、「力を合わせて福知山の神社を未来へ引き継いでいこう」と誓い、13日に駅前町の市民交流プラザで発足記念総会を開いた。
前身の京都府天田郡氏子総代会が1932年(昭和7年)に組織され、会員相互の交流や宗教活動などをしていたが、戦後のGHQ(連合国軍総司令部)政策の下でいったん途切れてからは、名前だけの組織となり、携わる人が少なく、細々と続いていた。
時が流れ、元号が平成、令和へと移り変わる中で、氏子の高齢化などが課題となっている。「令和の新しい時代を迎えたことを機に組織の再発足は今しかない」と、福知山市内で機運が高まった。
当初は2020年に再発足の総会を持つはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で見合わせ、2年を待っての念願の開催となった。
総会には約40人が出席。組織復活に向けて尽力してきた寺山重則さん(朝暉神社氏子会・朝暉会代表)が「再発足で連携と懇親を深め、何か地域に役立てることをみなさんと進めていけたら」とあいさつ。続いて新会長の塩見修さん(庵我神社氏子会責任役員)が「みなさんの力を借りて発展させていきたい」と続けた。
規約案を承認して、各神社総代、責任役員、神職を会員とすること、これまではみなし状態だった府神社総代会に正式加入することなどを決めた。9月には会員研修を予定している。
発起人の一人で、京都府神社庁福知山支部前支部長の絹川明夫・庵我神社宮司は「各神社の横のつながりで展望が開けることに期待しています」と話していた。
写真=再発足の記念総会を開いた