お寺に続く96段の石段 ちょうど96戸の檀家が寄進して完成-三和の福林寺
2022年04月06日 のニュース
96段の石段改修工事が完了した京都府福知山市三和町菟原下一の福林寺で2日、改修竣工記念式典が開かれた。檀家らが参列して全員で石段を上り、記念碑の除幕などもして完成を祝った。
天台宗の同寺は1600年に創建されたとされる。現在は常駐の住職がおらず、檀家の手で大切に守られている。
丘の上に建つ本堂へは、計140段の階段が並ぶ。1941年に下部の44段は石段として整備したが、残りはモルタルで仕上げただけで、老朽化が激しい状態だった。
そのため、檀家96戸が寄進し、昨年9月から12月までに残り96段の石段改修工事をした。高齢者でも上りやすいよう、手すりもつけた。総工事費は約580万円。
記念式典では、階段下で同寺代表総代の藤田洋嗣さん(78)が、「檀家数と階段の数が不思議と同じで、1軒が1段を作ったことになります。末永く活用をしていただきたい」とあいさつ。天台宗京都教区宗務所長の若林節哉・兼務住職(55)が読経した。
記念撮影をしたあと、参加者全員で階段を上り、頂上にある記念碑の除幕をした。
若林兼務住職は「21年は天台宗の開祖、最澄の没後1200年の大遠忌で、その記念事業にもなりました。お寺の顔でもある階段が整ったことで、ますますの興隆を祈念したい。いつまでも元気に地域の人らが、お参りに来てもらえたらうれしい」と話していた。
参加者たちはこのあと、観音会法要も開き、古いお札や塔婆などのおたき上げもした。
写真=階段を上る若林兼務住職と檀家たち